ネギは2倍、野菜卸値じわり上昇 日照不足や低温影響

8月の日照不足と低温で、青森県内でも野菜の出荷量が減少し、卸売価格がじわりと上昇している。盆明け以降、八戸市中央卸売市場ではネギが2倍近く、トマトやキュウリは2〜4割、平年と比べて高くなっている。高値が長引けば、今後は家庭の食卓にも影響が広がりそうだ。

 同市場では、各産地の入荷が重なり野菜全般が安値となった7月から一転、日照不足が目立ち始めた8月10日頃から入荷が減少し、盆明けは入荷量が全体で平年より3〜4割少ない状況となっている。

 ネギの主な規格の高値は盆前まで平年並みの5キロ1500円程度だったが、盆明けは3千円と2倍近くに上昇。雨が続いて生産者の収穫作業が遅れ、入荷量は平年の6、7割に落ち込んでいる。

 キュウリ、トマトも入荷量は平年の6、7割にとどまる。キュウリの高値は平年の5キロ1500円に対し、2300〜2500円に上昇。日照不足で着色が遅れ気味のトマトは平年より300円ほど高くなり、高値が4キロ1500円程度となっている。

 一方、大幅に安くなった品目も。夏の風物詩とも言えるスイカは寒さが響き、平年の半額以下と苦戦を強いられている。

 こうした状況だが、関係者の間では、入荷量が少ない割に高値にはなっていない―との見方もある。卸売会社・八戸中央青果の横町芳隆社長は「本来ならもっと高値になっていてもおかしくない。この天候で経済全体が冷え込み、購買意欲の低下につながっているのでは」と語った。