日本企業、撤退相次ぐ=スマホで苦境―携帯市場

富士通が携帯電話事業の売却に向けた調整に入った。国内携帯市場はスマートフォン登場後、「iPhone(アイフォーン)」を持つ米アップルの独壇場だ。2000年代初めは10社を超えた日本勢だが、撤退が相次ぎ、大手では富士通のほか、ソニー、シャープ、京セラが残るのみだ。

 調査会社のMM総研によると、16年度の携帯出荷数シェアはアップルが43.5%で首位。スマホ登場前はほとんどが日本勢だったが、現在は2位のソニーでも12.5%にとどまる。

 国内ではNEC、パナソニックがスマホから既に撤退し、東芝は富士通に携帯電話事業を譲渡した。富士通は高齢者が使いやすい「らくらくスマホ」が人気だが、かつてのような存在感はない。

 世界市場では、韓国サムスン電子とアップルの2強が激しく競い、その後を中国勢が追う。07年のアイフォーン発売から10年が過ぎ、スマホ市場は成熟化した。日本メーカーではソニーが世界展開しているが、高価格な機種に絞って利益を出す戦略だ。シェア上位に日本勢の姿はない。