中国版「ランボー」大ヒット 興行収入新記録874億円超 軍の存在感を強調

中国の元軍人が活躍するアクション映画「戦狼2」(呉京監督)が、中国で記録的な大ヒットとなっている。国内の興行収入記録を塗り替え、アジア作品で初めて世界の歴代興行収入の上位100位に入った。迫力ある戦闘シーンに加え、中国人の愛国心や大国意識をくすぐる表現が人気を呼んでいる。

 舞台は中国企業の進出が著しいアフリカ。主人公である中国軍特殊部隊の元隊員は、ある国の反政府勢力に捕まった中国人や地元住民を救い出そうと、米国人俳優が演じる白人傭兵(ようへい)らに立ち向かう。主人公が単身で強敵と戦う米映画「ランボー」をほうふつとさせる内容だ。

歴代興行収入「フォレスト・ガンプ/一期一会」抜く

7月下旬に公開され、中国映画専門サイトによると、興行収入は27日時点で53億元(約874億円)を超えた。これまでの過去最高だったコメディー映画「人魚姫」(2016年)の33億9千万元を大きく上回る。世界の映画の歴代興行収入を調べている米サイトによると、今月中旬に「フォレスト・ガンプ/一期一会」(1994年)を抜いて100位に入り、27日時点で74位となった。

 戦狼2では、窮地に陥った主人公を中国海軍が支援するなど、今年創立90周年を迎えた軍の存在感を強調した場面もある。主人公が中国人らを救った後、スクリーンには中国のパスポートとともに「海外で危険に遭遇しても、あなたの後ろには強大な祖国がある」という文字が映し出される。北京市内で映画を見た30代女性は「いざというときは国が守ってくれる」。習近平指導部の強軍路線を後押しするかのような内容に、別の女性は「(元軍人の主人公を含め)軍関係者が格好良すぎる」と話した。