「御菓子司蛸屋総本店」を展開する(有)蛸屋菓子店ほか1社(栃木)が会社更生法開始決定
(有)蛸屋菓子店(TSR企業コード:260144290、法人番号:4060002028798、小山市城東4−19−15、登記上:同市本郷町2−8−26、設立昭和38年1月、資本金300万円、早坂一幸社長)と、関連の(株)霽月庵早坂(TSR企業コード:260190438、法人番号:2060001014355、同所、設立昭和35年2月、資本金1000万円、同社長)は8月31日、東京地裁から会社更生開始決定を受けた。管財人には上野保弁護士(元木・上野法律会計事務所、東京都港区虎ノ門1−1−20、電話03−3501−2356)が選任された。負債は蛸屋菓子店が約13億円、霽月庵早坂が約21億円、2社合計34億円(平成28年8月期決算時点)。
蛸屋菓子店は、元禄11年(1698年)に仙台藩(現在の宮城県)で「赤壁楼」の名称で和菓子屋を創業したのが始まりと言われている。戦時中は一時休業していたが、戦後に栃木県小山市へ移転し、和菓子屋を再開した。「御菓子司蛸屋総本店」の店舗名で栃木県内を中心に、茨城県、埼玉県、群馬県に102店舗(FC店を含む)を展開し、「たこ壺もなか」「陣内評定餅」「栗石がえし」「みかもの月」などの自社商品を販売してきた。ピークとなる平成2年8月期には約22億円の売上高を計上し、地区上位の菓子店に成長していた。
しかし、多店舗展開に伴う不動産投資や過去の赤字補填を金融機関からの借入金に依存したことで余裕を欠く資金繰りとなっていた。金融機関から借入金の返済猶予を受けるなどして凌いできたが、厳しい経営環境は改善しなかった。そうしたなか、債権者から会社更生法を申し立てられ29年6月23日、保全管理命令が下りた。
霽月庵早坂は、蛸屋菓子店の製造部門的位置付けだったが、蛸屋菓子店とともに今回の措置となった。
なお、現在も店舗の営業は継続している。