ブルーボトルコーヒー、ネスレ傘下に 販路広げる狙いか

日米で高級コーヒー店を展開するブルーボトルコーヒー(米カリフォルニア州)は14日、食品世界大手ネスレ(スイス)の傘下に入ったと発表した。ブルーボトルはコーヒー豆の品質や焙煎(ばいせん)・抽出法にこだわった「サードウェーブ(第3の波)コーヒー」の代表格として知られ、日本にも根強いファンがいる。

 買収の詳しい中身は非公表だが、欧米メディアによると、ネスレがブルーボトル株の68%を約4億2500万ドル(約470億円)で取得したという。

 ブルーボトルは2002年創業で、コーヒー豆の製造販売も手がける。店の内外装や豆の個性にこだわり、注文を受けてから1杯ずつドリップするカフェを営む。高価格でも、こだわりを求める都市部の若者らの支持を集め、日本にも15年に進出した。日米の店舗数は17年末で55店と、昨年末の29店から倍増させる計画だ。

 ネスレの傘下に入ることで、投資資金を得やすくしたり、販路を広げたりする狙いがあるとみられる。ただ、ブランドの個性を維持するため、ブルーボトルは独立した会社として存続し、現経営陣も残る。

 ネスレは「ネスカフェ」「ネスプレッソ」などを180カ国以上で展開するコーヒービジネスの世界最大手。最近は「物言う株主」として知られる米投資ファンドが、利益率を高めるよう圧力をかけていた。