JA直営レストラン 「但馬牛」ヒレ肉を「神戸牛」として提供

全国農業協同組合連合会兵庫県本部(JA全農兵庫、神戸市中央区)は23日、神戸・三宮の直営レストラン「神戸プレジール本店」で、メニューに表示した「神戸牛フィレ肉」を注文した顧客の一部に、格付けが低い「但馬牛フィレ肉」を提供していたと発表した。判明した偽装は2016年4月から今年10月15日までの約3200食分。正規料金との差額は約1千万円とみている。

 神戸市内で会見した曽輪佳彦兵庫県本部長は「神戸ビーフの信用に傷つけ、多大なご迷惑をおかけしたことを反省し、おわび申しあげます」と謝罪した。同店を当面休業し、第三者を交えた調査委員会を設けて、原因究明と再発防止を図る。

 JA全農兵庫によると、10月16日に内部通報があり、料理長への聞き取りで判明した。動機について、曽輪本部長は「神戸牛が恒常的に不足し、在庫がない場合は注文を断っていたが、近年の来店者の増加に対し、要望になんとか応えたいという意思が働いたと考えられる」と話した。

 神戸プレジールは2008年4月、初の直営店として開業。神戸牛をメインに県産食材を使ったコース料理などに人気がある。16年10月に東京・銀座で開業した2号店「神戸プレジール銀座」では偽装は確認されていないが、再点検のため休業する。