「かっぱ寿司」全店食べ放題の狙い

食べ放題を全店に拡大するなど、新たなプロジェクトが始動する。

レーンを回る、1皿1貫のすし。

「かっぱ寿司」は、11月下旬から、首都圏の10店舗で、1皿1貫50円での提供を始める。
かっぱ寿司・大野健一社長は、「お客様にご支持いただけるかっぱ寿司になるために、挑戦と未来に向けた改革です」と述べた。

回転ずしチェーンでは初めてという、1皿1貫売りに打って出た大野社長。
その背景には、苦境にあえぐ、かっぱ寿司の現状がある。

大手4社がしのぎを削る、回転ずし業界。その市場規模は、この7年で、およそ1.4倍の6,250億円にまで拡大する見込み。

一方、かっぱ寿司は2016年、「脱かっぱ」を目指して、ロゴを刷新。安っぽいイメージからの脱却を狙ったが、2017年3月期には赤字に転落するなど、大手4社の中で、1人負けの状態。こうした中、今回発表した1皿1貫は、手軽な価格で、女性や年配の客を取り込む狙いがある。

さらに、2017年の夏、一部の店舗で行い、11万人以上の集客に成功した食べ放題を、11月、平日の午後2時から午後5時まで、全店で実施することも発表。客足の落ち込む時間帯「アイドルタイム」の回転率を上げる狙いがあるとみられる。利用客は、「きょう食べた分でも、食べ放題の金額で済むので、すごくお得感はある」と話した。
かっぱ寿司・大野健一社長は「きのうやったことが、きょうは通じない世の中になっているので、スピードを持ってやっていきたい」と述べた。

1皿1貫や食べ放題をきっかけに、起死回生となるのだろうか。