地方消費税、人口比で配分 老年・年少基準に手厚く 財務省検討

消費税のうち地方の税収となる地方消費税の配分方法について、財務省が消費額に基づいて大半を割り当てる現行基準を見直し、65歳以上の「老年人口」と15歳未満の「年少人口」の比率に応じて配分する改革案を検討していることが29日、分かった。高齢化に配慮し、消費額が相対的に少ない地方への配分を増やすことで都市部との格差を是正する。31日の財政制度等審議会で提案する。

 消費税は税率8%のうち、1・7%分が地方に配分され、国が自治体に代わりまとめて徴収し、都道府県に割り当てる仕組み。現在は税収の75%を都道府県ごとの消費額に応じて配分し、17・5%を人口、7・5%を従業員数に基づいて配分額を計算している。ただ地方の住民が大きな店のある都市部へ出かけて買い物するケースもあり、地方消費税の配分が都市部に偏ることが問題だった。人口1人当たりの地方消費税収は、最大の東京と最小の沖縄で1・6倍の格差がある。

 改革案では、消費税収が高齢者や子育て世帯を対象とした社会保障費に充てられている点を考慮。現行の配分基準を全てなくし、子供と高齢者の人口による基準に一本化する。老年・年少人口の比率が高いほど配分が増える。地元での消費額や働く先が相対的に少ない地方に配慮する。

 政府・与党は年末に議論する平成30年度税制改正で詳細を詰める。だが、地方は配分が増える一方、東京は減少が予想され、調整は難航しそうだ。