座間9遺体 8月下旬以降9人殺害 乱暴や金が目的

神奈川県座間市内のアパートから9人の遺体が見つかった事件で、死体遺棄容疑で逮捕された職業不詳の白石隆浩容疑者(27)が、「9人とはツイッターを通じて知り合い、会ったその日に自宅に連れて行き、殺害した」という趣旨の供述をしていることが捜査関係者への取材で分かった。現場のアパートに引っ越してきた8月下旬以降、次々に9人を殺害したという。動機については「女性に乱暴をしたり、金を取ることが目的だった」と供述している。警視庁捜査1課は供述の裏付け捜査を進めている。

捜査関係者によると、白石容疑者はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を使って9人の被害者に接触。「自殺を手伝うという名目で誘い出していた」という内容の供述をしている。まず首を絞めて気絶させていたといい、殺害後に金品も奪っていた。多いケースで約50万円を持っている被害者もいたと説明しているという。

10月24日から行方不明になっている東京都八王子市の女性(23)については、女性の「一緒に死んでくれる人を探している」というツイートに対し、「1人で死ぬのが嫌なら一緒に死にましょう」などとメッセージを送って誘い出していた。

 遺体は自宅の浴室で解体したという。室内からはのこぎりが見つかっている。「最初の遺体の処理には3日かかったが、次からはもっと早くできるようになった」という供述もしているという。

 また「肉や内臓はゴミとして捨てていた」とし、頭部をクーラーボックスに入れていた理由については「捨てにくく、処置に困ったから」などと供述しているという。遺体の入ったクーラーボックスの中に猫のトイレ用の砂をかけていたのは、腐乱した遺体を防臭するためとみられる。

 白石容疑者は今年2月、茨城県内の風俗店に女性を紹介したとして、同県警に職業安定法違反の疑いで逮捕され、5月に水戸地裁土浦支部で懲役1年2月、執行猶予3年の判決を受けていた。捜査関係者は「女性を風俗店に送り込むスカウトマンをしていたようだ」と話している。

 捜査1課は裁判後の白石容疑者の足取りを追いながら、事件に至った経緯を調べる。
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