教師目指した?“座間9遺体”容疑者の顔

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いまだに不可解なことが多い、神奈川・座間市で9人の遺体が見つかった事件。1日、死体遺棄の疑いで白石隆浩容疑者(27)が送検された。容疑者がどんな人物なのか、少しずつわかってきた。

■白石容疑者とは 座間9遺体 白石隆浩

白石容疑者は、2006年に地元の中学校を卒業後、県内の高校へ進学。高校在学中からスーパーでアルバイトをしていて、2009年に高校を卒業したあとも正社員としてスーパーで働いていた。

 去年、東京・池袋に住んでいた白石容疑者は、池袋や新宿・歌舞伎町で風俗店のスカウト業を行っていた。そして今年2月、売春させる店と知りながらスカウトした女性に店を紹介した職業安定法違反の疑いで逮捕されている。

 今年5月には懲役1年2か月・執行猶予3年の有罪判決が出され、その後は座間市の実家に戻っていた。

座間9遺体 白石隆浩■有罪判決を受けたあと、実家での様子は?

近所の人に聞いてみたところ、「非常に“好青年”という印象」で、「挨拶をしても明るく返してくれる」人だと。また、「2、3か月前、『彼女がいる』という話を聞いたことがある」と話す人もいた。

 その後、白石容疑者は、8月22日、現場となった神奈川県座間市のアパートに引っ越す。関係者によると、部屋を契約する時には契約した月の家賃が無料になるというサービスで、翌月からの入居を勧められたが、「すぐに入居したい」と言ってその日のうちに入居したという。何らかの理由で入居を急いでいた可能性もある。

 そして、白石容疑者は、「8月下旬から先月30日までの約2か月の間で、9人を殺害した」という趣旨の供述をしているという。

座間9遺体 9人の身元は?

2人は白石容疑者の知人のカップルだったとわかったが、ほかの被害者とはすべてツイッターで知り合ったとみられている。白石容疑者は、「初めて会った、その日に殺害した」と供述していることが新たにわかった。

 自殺願望のあった被害者らには、SNSを通じて接触し、「一緒に死にましょう」などと、自らも自殺志願者であるかのように装い、誘い出していたという。

 ただ、自殺を手助けしたり一緒に死のうとしたりしたわけではないようで、「被害者の同意なく殺した」と話しているという。

 行方不明になっている八王子に住む23歳の女性の殺害も認めているほか、見つかった遺体については、すべて30歳未満で、10代が4人、20歳くらいが4人、26歳が1人、最も若い被害者については「17歳ぐらいの人も殺害した」と話しているという。

座間9遺体 白石隆浩と一緒に住んだ女性に見せた顔

また、日本テレビでは、白石容疑者と2、3か月ほど一緒に住んでいたという女性に話を聞くことができた。

 白石容疑者と住んでいた女性「お金持ちだよ、金は困ってない、みたいなことを言ってました」「学校の教員になりたいって言って、教師の資格をとったとか、勉強しているみたいな」「優しすぎて怖かった」「普通の人より異常に優しかった。優しすぎて怖かった」

白石隆浩容疑者の猟奇的な犯行とはギャップ

動機については、「金銭目的」や「性的暴行」といった供述をしているが、にわかに信じがたい。被害者から奪った金額としては、「多い時で50万円とった」、また、「性的暴行を加えて殺した」という趣旨の話もしているという。

 しかし、犯罪心理学に詳しい筑波大学の原田教授は、「言っていることとやったことの乖離(かいり)が大きすぎる」「核心に触れずに真の動機は隠しているのではないか」と指摘している。

座間9遺体 真の動機とは?

原田教授は、「殺すこと、死体に対する性的な嗜好(しこう)があったのではないか」と話していて、「秘めていたかもしれない欲求が根底にあって、何かのきっかけで欲望に火がついて歯止めがきかなくなったのではないか」という。

 今回の事件では、白石容疑者の「異常性」が指摘されるが、それを裏付けるような事実がまだでてきておらず、謎が数多く残されている。

 今後の捜査では、被害者の身元の特定が急がれるほか、裁判で有罪判決を受けた今年5月以降の白石容疑者の足取りを追いながら事件に至った経緯を浮かび上がらせることがポイントとなっていく。
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