ラーメンチェーン幸楽苑、52店舗閉鎖へ

低価格のラーメンチェーンの幸楽苑は、全店舗のおよそ1割にあたる50店舗あまりを閉鎖することを決めました。

 幸楽苑ホールディングスは、来年の3月末までに全国の52店舗を閉鎖すると発表しました。幸楽苑はデフレの中で、低価格のラーメンをうりに、全国32の都道府県に店舗を拡大しましたが、人手不足による人件費の上昇や原材料の値上がりによって採算が悪化しているということです。

 幸楽苑ホールディングスは外食大手のペッパーフードサービスと契約を結び、不採算店の一部をステーキ店の「いきなり!ステーキ」に転換することを、すでに発表しています。

幸楽苑HDが不採算の52店閉鎖 業績悪化で

ラーメンチェーン大手の幸楽苑ホールディングス(HD)は10日、全店の1割弱にあたる52店を閉鎖すると発表した。同日発表した2017年4〜9月期連結決算の最終損益が同期間として初の赤字となり、不採算店の大量閉鎖で体質改善を急ぐ。16年秋に発生したラーメンへの異物混入問題などによる売り上げ低迷に加え、人件費の高騰も影響している。

一方、ラーメン店「日高屋」を運営するハイデイ日高は、割安感のあるメニューが人気で17年3〜8月期単独決算は増収増益だった。幸楽苑HDと明暗が分かれている。

 同社の今回の閉鎖は郊外の路面店が中心で、18年3月末までに終える。32都道府県に広がっていた店舗網も27都府県に縮小する。競合が激しい北海道の11店は全て閉め、それぞれ1〜3店があった福井、岡山、京都、滋賀の4府県からも撤退する。

 特別損失に閉鎖経費などで5億3000万円を計上し、最終損益は6億4000万円の赤字(前年同期は5億6000万円の黒字)となった。18年3月期の通期予想も6億7400万円の赤字(従来予想は2億円の黒字)に下方修正した。通期の赤字も1997年の株式店頭公開以来、初めて。中間配当、期末配当ともに5円(従来予想はそれぞれ10円)とする方針だ。

 幸楽苑HDは近年、30店前後の新規出店と、10〜20店の閉店を続けていた。18年3月期は出店費用を抑えた小型店とショッピングセンター内のフードコートを中心として30店を超す新店を予定。12月にはペッパーフードサービスとフランチャイズ契約した福島市内の1店をステーキ店に転換することも決めている。