大雪でも就航率99% “欠航しない空港”に密着

冬になると頻繁に大雪に見舞われる北海道・旭川空港だが、実は就航率99%を誇る。高い就航率を支えている除雪部隊を取材した。

 まさにそれは一つの戦い。雪にも負けず、寒さにも負けず、飛行機の定時運航のため除雪車は28日も走る。北海道のほぼ真ん中に位置する旭川空港。滑走路の長さは2500メートル、幅60メートル。28日の除雪作業は、積雪のため通常よりも早くスタートした。暗闇のなか、こうこうと浮かび上がるライト。その明かりは至る所で動いている。

旭川空港は就航率99.1%を誇っている。空港のすべての定期便のうちどれだけの飛行機が無事に離着陸できたかを示す割合。

ここ10年の平均を見ても99%と非常に高い就航率となっている。それを支える除雪。もちろん一筋縄ではいかない。午前7時を回り、徐々に滑走路の黒さがうっすら見え始めた。除雪も終盤、大型の除雪車で隊列を組み、滑走路を走る。雪を飛ばしながらの激走だ。横に並んで走ると、そのスピードの速さたるや。こうして午前8時までに除雪が完了。

旭川空港が目指す滑走路の黒さがはっきりと見える状態「ブラックトップ」だ。実は滑走路自体にも秘密がある。ただのアスファルト敷きの滑走路に見えるのだが、よく見ると溝が掘られている。こうすることで、タイヤのグリップ力が強まり、飛行機が止まるまでの距離を短くする役割がある。

午前8時30分ごろ、第1便が到着。この便は、すぐに東京・羽田空港に引き返す。そのために必要なのが飛行機の機体の除雪だ。さらに2種類の液を翼にかけるという。雪を排除するだけでなく、付着しづらくするためだ。翼の上部に雪が積もっていると、離着陸や飛行に影響があるという。

こうして飛行機の除雪を終え、無事に東京へ折り返していった。