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「イチロー×アインシュタイン」の弟子志願者に困惑  ビートたけしの大正論

「イチロー×アインシュタイン」の弟子志願者に困惑  ビートたけしの大正論

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減った「“弟子”出身者」ビートたけし

2017年の「M‐1グランプリ」で優勝したコンビ、とろサーモンは吉本興業の養成所、NSCの出身。落語の世界を除くと、このように師匠を持たない芸人が大勢を占めているのは今では常識だろう。歴代のM‐1優勝者も養成所の出身者などで占められている。

 そんな中では、つい最近まで数多くの弟子をとってきたビートたけしは例外的な存在かもしれない。一番多い時は50人以上も弟子がいたというのだから物凄い。

 最近は年齢のせいもあって、弟子をとらなくなったというのだが、それでもたまに「志願者」が連絡してくることはあるという。もっとも、このご時世にわざわざ弟子入りを志願するだけあって、かなり変わった人が多いようだ。新著『バカ論』から、驚愕の弟子入り志願者のエピソードと、たけし流の「弟子論」を紹介しよう。

天才?弟子志願者

たとえば、ある弟子志願者の手紙はこんな調子だったという。

「僕はイチローならびにウサイン・ボルトと同等の運動神経を持ち、かつ、アインシュタインやファインマンに比肩する頭脳を持った男です。

 お願いですから、たけしさんの漫才の弟子にしてください」

 怖ろしいまでの才能を誇る人物からの連絡には、さすがにツッコミを入れざるをえなかったようだ。

「だったらお前、他にやることあるだろう。

 イチローやボルトの運動神経があって、アインシュタインとファインマンの頭脳があったら、漫才なんてやらないだろう。

これには笑ったね。バカ言ってんじゃないとか、そんなレベルじゃない。

 面白いのは、アインシュタインはともかくファインマンなんて言うところ。『なんでファインマンだったんだろう?』なんて、思わず考え込んじゃった」

ビートたけしが語る 飲んでいても芸人にはなれない

こういうおかしな志願者が増えたことも、弟子を取るのをやめた理由の一つだが、それ以外にも、うんざりすることがあったという。

「それまでは、弟子と認めた瞬間に、事務所から最低10万円は渡すようにしていた。付き人の仕事さえやっていれば、芸人としての仕事があってもなくても月10万円。

 それでも、頭に来てクビにすることがあった。

 そいつがモノになるかどうかというのは、そいつが裏で何をしているか、たまに抜き打ちで電話してみれば一発でわかる。

『おい、たけしだけど、今何やってるんだ』

『中野で友達と飲んでいます』

 その瞬間に呼び付けて、

『お前、事務所からただで金をもらって、よく友達とドンチャン騒ぎをやれる根性があるな。それができるなら、うちの事務所じゃなくて、よそで勝手にやってくれ』」

 プライベートで自由に飲むこともままならないとは厳しすぎないか――そう思われるかもしれないが、そこにはこんな考えがある。

「そういう奴は大体『俺はたけしの下で働いている』なんて威張って飲んでいるに決まっている。その根性が嫌なんだ。飲むのは別に構わないけど、頼むから自分の部屋とか目立たないところでやってほしい。

 結局、そういう奴は、芸を身につけたいのでもないし、芸人になりたいわけでもない。芸人の世界の仲間入りをしたいだけなんだね。

 芸事を勉強しないで、ネタもつくらず、芸人仲間と飲むのが一番楽しいなんて奴が結構いる。『兄さん、兄さん』とおだてて、毎晩のように先輩芸人におごってもらったり。

 そいつらにとっては、芸をきちんと教えてくれる師匠より、金をくれたり、飲ませてくれる師匠の方が大事。

 困ったことに、東京にいれば、おいらの弟子というだけで顔がきく。

 知らないところに飲みに行っても、おいらのファンの人がいれば、何だかんだ言って飲ませてもらえる。『マスター、こいつ、たけしの弟子だから飲ましてやって』とか」

 こういう「甘え」が許せないし、本人のためにならないから厳しくあたるということのようだ。弟子をとらなくなった今でも、たまに「どうしたら漫才師になれますか?」といった質問を受けることがある。この問いに対してはこう答える。

「漫才師になるために金を払って学校に入る奴もいるけど、おいらの場合は、流れ着いたところがたまたま芸人だったというだけ。結果的に漫才師になっただけで、なろうと思ってなったわけじゃない。

 大学の機械工学科でレーザーの研究をやろうと考えていた男が、なんで漫才師になったのか――それをまともに説明できる理由なんか、いくら考えてもないんだ。

 挫折して挫折して、折れて折れて、辿り着いたのが浅草で、そこで偶然漫才師になった。おいらはそうやって流れ着いたけど、時代も状況も文脈も違う奴らに『どうすればなれますか?』と聞かれても、答えようがない」

 なろうと思ったら必死で精進しなければならないが、なろうと思ってなれる仕事でもない。なんだか禅問答のようだけれども、そのくらい厳しい世界だということなのだろう。

進次郎氏が角栄と重ねて見られるのは政治状況が似ているからか

進次郎氏が角栄と重ねて見られるのは政治状況が似ているからか

衆院選での大車輪の活躍を機に、政界の中心人物に躍り出た感のある小泉進次郎氏。その勇往邁進ぶりは昭和を駆け抜けたあの田中角栄の黎明期を思わせるものがある。出自も風貌も大きく異なる2人が、なぜ重なって見えるのか。(文中一部敬称略)
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政治的実績を冷静に比較すれば2人には天と地ほどの開きがある。角栄研究で知られる政治評論家の小林吉弥氏がいう。

「角さんの政治家としての能力が桁違いだったのは、現在の進次郎と同じ4回生くらいまでの若手時代にダム法、道路法、港湾法、河川法や高速道路法、新幹線整備法、そして国土総合開発法など、日本の高度成長を支えたインフラ整備の基礎となる法律を議員立法で1人でつくったことだ。

 議員立法は法案づくりから与野党、霞が関の各省との利害調整の根回しを全部やらなければならないからとてつもない労力と能力が必要になる。それを次々にやってのけた。過去も現在も、おそらく将来もこんな政治家は出ない。若くして大臣、幹事長になったのも、官僚ににらみが利いたのも、金ではなく、根底に東大出のエリート官僚や政治家たちに“この男の政策能力にはかなわない”と思わせる実力があったからです。

 確かに進次郎は他の政治家と比べれば目の付けどころが違うし、演説もうまい。しかし、自分の政策を実現したことがない。どんなにメディアに脚光を浴びようと、実績だけを見ても角さんと比べる方がおかしい」

 それでも、進次郎が角栄の姿と重ねて見られるのは、2人が背負っている時代の社会と政治状況がそっくりだからではないだろうか。

 角栄の時代は高度経済成長末期、工場が大都市圏に集中し、公害など成長のひずみが大きくなり、地方は開発に取り残されて格差が拡大していた。国民は佐藤長期政権に倦み、政治の転換を望んでいた。そこに角栄が工場を大都市から地方に移転させることで人口と産業の再配置をはかる列島改造論を掲げて颯爽と登場し、国民は熱狂的に迎えた。

 そして現在、アベノミクスで都市と地方の格差が広がり、正規と非正規の格差が固定化して社会は閉塞状況に陥っている。国民は安倍長期政権に飽き、時代と政治の転換を託せる新たなリーダーを求めている。

「角さんのカリスマ性は鋭い発言と、言葉に発したことは実現するという実行力。進次郎は若さとルックス。彼がいることで古い自民党から新しい自民党に政治が変わっていくという期待感を高めている」(作家・大下英治氏)

 実力の有無とは無関係に、まさに「時流」に乗ったという見方である。だが、角栄は列島改造論で高度成長の是正だけでなく、〈20代、30代の働きざかりは職住接近の高層アパートに、40代近くになれば、田園に家を持ち、年老いた親を引き取り、週末には家族連れで近くの山、川、海にドライブを楽しみ、あるいは、日曜農業に勤しむであろう〉と目指す社会の具体的な未来予想図を示し、国民に夢を与えた。

 進次郎は2020年の東京五輪後に日本は深刻な危機がくると将来を見据えて国民に警鐘を鳴らしているものの、処方箋と目指す社会の具体像は全く見えない。角栄の姿を追って2万枚の写真を取り続け、小学5年生の進次郎を撮影し、その眼光に思わず射すくめられた経験も持つカメラマン・山本皓一氏が指摘する。

「角さんは若いころから15年、20年先のビジョンを持ち、地図に線をひくと高速道路や新幹線もその通りに日本は変わっていった。進次郎とは時代が違うといえばそうかもしれないが、角さんの目にはどんな困難も実現させるという強い意志の輝きがあった。はたして進次郎は小学生の時のあの眼光の強さをまだ持っているだろうか」

 山本氏はもう一度、ファインダーを進次郎に向けてみるつもりだという。

中国の「体制転換」目指す大富豪、郭文貴氏 独占インタビュー

中国の「体制転換」目指す大富豪、郭文貴氏 独占インタビュー

祖国中国の高官の汚職を非難し、現在は米国で政治亡命を申請中の大富豪、郭文貴(Guo Wengui)氏がニューヨークでAFPの独占取材に応じ、世界最大の人口を持つ中国の「体制転換」と民主主義の導入を目指していると語った。

ニューヨークのセントラルパーク(Central Park)に面した高級アパートでAFPの取材に応じた郭氏は、「私は法の支配を手にしたい。民主主義や自由を手にしたい。体制転換……それが最終目標だ」と語った。

 郭氏は年内に立ち上げ予定の新たなメディア・プラットフォームを使って中国の共産主義体制の欠陥を明らかにすることで、3年以内の目標達成を目指している。

 郭氏は意外な「味方」がいることを明らかにした――ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の側近だったスティーブ・バノン(Steve Bannon)前首席戦略官・上級顧問だ。郭氏はバノン氏とこれまでに10回会い、計画中のメディア・プラットフォームについて話し合ってきたという。郭氏は、「ご存じだろうが私は金持ちだ。この(プラットフォームの)ために大金を準備してきた」と語った。

 インタビューの中で郭氏は、中国当局者が今年5月に郭氏の元を訪れたという米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)の報道は事実だと認め、中国側の目的はただ一つだったと述べた。「私を黙らせたかったのさ。私が中国政府の腐敗した高官について話すのをやめさせたかったのさ」

 郭氏は「私が録音した100時間を超える会話のテープがある」とも語った。「彼らにとって、それは余りにも大きな脅威だった!」

 郭氏は生まれた当時、中国は文化大革命(Cultural Revolution)の混乱の真っただ中にあったため誕生日は不確実だが、年齢は47歳だとしている。

 郭氏が2014年に中国を逃れて以来、兄弟2人と大勢の元従業員が投獄された。しかし郭氏自身は米国で安心感を得ており、まもなく政治亡命を認められると確信しているという。

国連事務次長「一つの判断ミスが戦争の引き金に」 訪朝で警告

国連事務次長「一つの判断ミスが戦争の引き金に」 訪朝で警告

国連(UN)は9日、4日間の日程で8日まで訪朝していたジェフリー・フェルトマン(Jeffrey Feltman)事務次長(政治局)が、たった一つの誤判断が北朝鮮との戦争の引き金となりかねないと警鐘を鳴らし、対話の窓口を開いておくよう北朝鮮に呼び掛けたと明らかにした。

フェルトマン氏は、北朝鮮による米全土を射程に収めた新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験実施から1週間を経ずに北朝鮮を訪問していた。国連高官の訪朝は2010年以来。

 国連によると、フェルトマン氏は北朝鮮で李容浩(リ・ヨンホ、Ri Yong-ho)外相、朴明国(パク・ミョングク、Pak Myong-Kuk)外務次官と会談し、「朝鮮半島の現状が、現在の世界の平和と安全保障における最も緊迫かつ危険な問題となっている」という点で合意した。

 また、戦争リスクを減少させるためには誤判断を防ぎ、緊急に対話窓口を開くことが必要だと指摘し、緊張が高まる朝鮮半島問題を平和的に解決するためには国際社会が関与していかなければならないと強調。現在の北朝鮮問題の解決方法は「誠実な対話を通じた外交的手段による解決しかない」との認識を示した。

トヨタ「JPNタクシー」デビュー1か月、その評判は? 「これタクシー!?」の声も

トヨタ「JPNタクシー」デビュー1か月、その評判は? 「これタクシー!?」の声も

トヨタの次世代タクシー車両「JPNタクシー」がデビューし、1か月が経ちました。その車内の広さに「これタクシー!?」の声も。車体色は、メーカーは「深藍」を推奨していますが、地方ではカラフルなものも登場しています。

まず驚くのは「広さ」 乗務員からも好評

トヨタの次世代タクシー車両「JPNタクシー(ジャパンタクシー)」が2017年10月23日(月)にデビューし、1か月余りが経過しました。東京の街でも徐々に見かける機会が増えたほか、地方でも導入が進んでいるようです。TAXI201712060001
日本交通の「JPNタクシー」。車体色は標準設定色のひとつ「深藍」(画像:日本交通)

トヨタ「JPNタクシー」デビュー

実際の利用者からはどのような評判なのでしょうか。都内大手の日本交通(東京都千代田区)に聞きました。

――「JPNタクシー」の利用者からは、どのような感想がありますでしょうか?

 まず「広い」「天井が高い」といった声が聞かれます。乗降を補助する手すりや、天井からつり革のように垂れさがるアシストグリップもちょうどよい位置にあって乗り降りしやすく、お客様ご自身で操作できる座面と背面のヒーターやエアコンの吹き出し口、手元を照らす読書灯も好評です。従来のイメージを覆すのか、良い意味で「タクシーじゃないよねこれ」とおっしゃる方もいます。

――車いすもそのまま載せられるなどの特徴がありますが、そのような人へ優先的に配車しているようなことはあるのでしょうか?

 現在は台数が少ないため、予約時の車種指定は受け付けているものの、確約はできないという条件です。やはり、「流し」の車両にお乗りいただく機会が多いでしょう。

――今後どう増備していきますでしょうか?

 当社グループでは現在130台ほどで、今後も増備していきます。東京では、2020年までにタクシーの3台に1台、つまり1万台ほどが「JPNタクシー」になるといわれています。

地方での評判はどうでしょうか。岡山県で「JPNタクシー」を最初に導入したうちの1社である岡山交通(岡山市)も、「お客様からは『広い』『乗り降りしやすい』といった声があるほか、窓や足元の空間も広く、乗務員も運転しやすいと話しています」といいます。トヨタの従来型タクシー車両である「コンフォート」と「JPNタクシー」を比較すると、たとえば室内高では1225mmから1370mmと、14.5cm程度アップしています。その広さは利用者だけでなく、乗務員からも好評のようです。

東京23区では「深藍」 地方ではバリエーションも?

「JPNタクシー」は、標準色として深藍(こいあい)、黒、白の3色が設定されています。おもに東京23区で「JPNタクシー」を販売する東京トヨペット(東京都港区)によると、「東京ハイヤー・タクシー協会さんが車体色の統一を呼び掛けていることもあって、東京23区エリアではおよそ9割に深藍が採用されています。ただ、多摩地区では黒のほうが多いほか、地方ではほかの色も見られるようです」と話します。
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黄色い車体色を採用した岡山交通の「JPNタクシー」(画像:岡山交通)

トヨタ「JPNタクシー」デビュー

たとえば、岡山交通は標準にない黄色の車体色を採用しています。「当社含む両備グループ(編集部注:主に岡山県で交通事業を展開する企業グループ)のタクシー会社で2台の『JPNタクシー』を導入(2017年12月初旬現在)していますが、いずれもグル―プにおける小型タクシーのカラーである黄色に統一しています」とのこと。

 岡山交通へ「JPNタクシー」を販売した岡山トヨペット(岡山市)によると、「メーカーとしては深藍で統一したいという思いはありますが、両備グループさんのように、車体色にこだわりをお持ちで黄色を納車した例もあるほか、標準色ではどちらかというと黒が多いです。もちろん深藍や白を導入するところもあり、たとえば白で走っていたところが急に黒になると、お客様の印象も大きく変わることから、おおむねそれまでの車体色に準じた色が選ばれています」と話します。東京23区ではほぼ深藍ですが、それ以外の地域では深藍以外の色も多く見られるという状況のようです。

 売り上げの面ではどうでしょうか。おもに東京23区を販売エリアとする東京トヨペットでは、12月5日(火)までの段階で約370台(登録台数。以下同)だそうです。一方、岡山トヨペットによると、岡山県内では12月初旬の段階で10台ほどだといいます。

 岡山交通は「価格が高いので少しずつではありますが、2018年も(『JPNタクシー』を)計画的に増備していく予定です」としています。従来型の「コンフォート」は、最上級グレードの「SG」でもおよそ233万円でしたが、「JPNタクシー」は標準グレードの「和」でおよそ328万円、上級グレードの「匠」でおよそ350万円。この価格差もあり、すぐに増備できるわけではないようです。

 このことから、岡山トヨペットによると「『コンフォート』の在庫分も並行して売れています」とのこと。「いま更新すべき車両を『コンフォート』でまかない、その在庫がなくなってから『JPNタクシー』を導入することを検討している会社もあります。『JPNタクシー』が本格的に売れ出すのは、『コンフォート』の在庫がなくなってからかもしれません」と話します。

 東京では2020年までにタクシーの3台に1台になるという「JPNタクシー」、全国で本格的に台数が増えるのは、これからといえるでしょう。

トランプ北攻撃「クリスマス開戦」の真偽

トランプ北攻撃「クリスマス開戦」の真偽

“クリスマス作戦”決行か――。最新ステルス戦闘機F22や電子偵察機など230機が集結して「史上最大規模」(韓国軍)の米韓合同軍事演習が4日、韓国と周辺地域で始まった。今回の軍事演習は「テロ支援国家」再指定や経済制裁への反発から先月29日に新型ICBM(大陸間弾道ミサイル)の「火星15」を発射した北朝鮮に対しての大デモンストレーション。米本土には「挑発を続ければクリスマスまでに攻撃がある」というムードが漂っている。米国が攻撃を仕掛けるXデーがいよいよ来るのか? 専門家に聞いた。

 北朝鮮が発射した「火星15」は、通常より高い角度で打ち上げるロフテッド軌道で発射され、大気圏再突入の際にバラバラに分解したとされる。だが、通常の軌道で発射した場合の射程距離は1万3000キロと米本土全体が射程に入るとの分析もあり、北朝鮮が全米を標的としたICBM攻撃能力を手にするのに、さして時間がかからない可能性を示した。

 現にマクマスター米大統領補佐官は2日、北朝鮮の核ミサイル開発について「成功でも失敗でも技術は進歩していく。早急に解決できなければ武力衝突が刻一刻と迫っている」と危機感をのぞかせた。また、米共和党のリンゼー・グラハム上院議員も「在韓米軍の家族を退避させなければならない」と言及。米本土でも「クリスマスまでに攻撃があるのでは!?」ときなくさい雰囲気が漂い始めている。

 米国や日本はもちろん世界中のキリスト教エリアが、ツリーのまばゆいイルミネーションの前で盛り上がっているそのとき、トランプ大統領の命令で金正恩朝鮮労働党委員長の隠れ家に向けピンポイント爆撃のためのステルスが発進している可能性もあるというのだ。

 元韓国国防省分析官で拓殖大客員研究員の高永テツ氏は「230機もの空軍戦力を展開する軍事演習の狙いは、今後、北朝鮮が軍事挑発を続ければ攻撃するという警告です。追加経済制裁や軍事演習に対抗して、北朝鮮がミサイル発射実験や7回目の核実験を行えば、米国にとって待ったなしのチャンスです」という。

 1発のICBM発射実験で、外交努力での解決がほぼ不可能になったとの考えをより深めたトランプ大統領にとって、正恩氏の次なる挑発行動が攻撃のGOサインになるというわけだ。

「事実、北朝鮮の重要施設をピンポイント空爆する想定訓練も行っている。正恩氏の居所や核施設、ミサイル発射台など毎日更新している700か所あまりの標的情報に対して、トマホークとイージス艦のミサイル合計2000発の照準を合わせており、命令さえ下れば15分で攻撃できてしまう。北朝鮮空爆の緊急ニュースが米国人へのクリスマスプレゼントというわけです」

 もはや戻るに戻れない一触即発状態だという。

 ただ、一方で、軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は「年内に軍事衝突が起こる可能性は0%」と言い切る。

「まだ軍事衝突の段階には至っていない。北朝鮮を“米国は本気だ”とビビらせ、中国に対北石油禁輸などを求めた圧力をかける“心理戦”のための情報がリークされているだけ。米国から官邸に事前に『戦争をやるつもりだ』などと耳打ちがあって、それが日本のマスコミに漏れるなんてことがあるわけがないのです」

 いまだ米国は、中国なら北朝鮮を抑え込めると信じており「核爆弾で反撃されたら米国だって大きな被害をこうむるので、現状ではそこまで介入する覚悟はない」と黒井氏は指摘する。

 朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は4日、「米韓合同訓練は核戦争勃発の前奏曲だ。決して座視せず断固対応する」との論評を掲載している。

NHK受信料の支払い義務は「合憲」、最高裁が判決

NHK受信料の支払い義務は「合憲」、最高裁が判決

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NHK受信料の支払い義務

NHKが受信料を払わない男性を訴えた裁判で、最高裁は12月6日、「受信料支払い義務は「合憲」」という判決を言い渡した。ツイッターなどのSNSやTBSなど報道各社が速報で報じた。

この裁判は、NHKが受信契約を拒んだ男性に、NHKの受信料支払いを求めたもので、「テレビを設置したら、NHKと受信契約を結ばなければならない」としている放送法の規定が、日本国憲法に違反するか「合憲」かを争っていた。

1審、2審の判決では、規定を合憲と判断し、男性に支払いを命じている。

ネット上では、原審の東京高等裁判所判決が支持された場合、理論上は50年分の受信料を一括請求されることもありうる、などという意見も出ており、判決が出る前から議論が巻き起こっていた。

なお、NHKの受信契約は現状、一度契約した場合は消滅時効は5年。しかし、NHKは滞納分について時効に関係なく「全額請求」するとしている。

この判決は今後、日本全国のNHK受信料をめぐる裁判の判決に大きく影響しそうだ。

空き家で街がスカスカ 東京郊外で進む「都市のスポンジ化」、対策はあるのか?

空き家で街がスカスカ 東京郊外で進む「都市のスポンジ化」、対策はあるのか?

「都市のスポンジ化」という現象を聞いたことがあるでしょうか。人口が減るなかで空き家や空き地がランダムに発生し、街がスポンジのようにスカスカになってしまうことです。この問題が東京の郊外で注目され始めています。

「1970年代ごろまでに建てられた家で空き家が増えている。マッピングすると、スポンジ化を実感する」。こう話すのは、埼玉県毛呂山町役場の酒井優さんです。「街の人口密度が下がると、多額の投資をしてきた下水道や道路などが無駄になる。小売店なども収支があわず撤退してしまう。それでまた人が減る負のスパイラルに陥る」と懸念しています。

スポンジ化は日本特有の現象とされます。高度経済成長期に都市部に若者が大勢やってきました。彼らは結婚するとマイホームを求めて郊外に散らばりました。その家を相続した子どもが放置すると空き家や空き地になります。団塊の世代の持ち家の相続期を迎える2033年には3軒に1つが空き家になるとの予測もあります。

奇妙なことに周辺では開発が続いています。2000年代の規制緩和により、それまで開発できなかったところに、若い人向けの住宅や、相続対策用のアパートが大量につくられているのです。東洋大学の野沢千絵教授は「少しでも人口を確保したい自治体が郊外の開発を許容している。焼き畑農業的な対応」と批判します。

都市計画制度の限界もあります。日本では開発時点での規制はありますが、開発後にどう使うかは事実上、個人の自由です。英国では開発した後もより良い街にしていくための仕組みがあります。開発事業者と自治体、土地の所有者が協定を結び、土地の使い道を考えるのです。そうした開発費も事業者が負担します。

野放図な街づくりのツケを背負うのは住民です。景観が悪化したり、水道などのインフラ整備費が膨らんだりします。国土交通省も対策を考え始めていますが、具体化はこれからです。首都大学東京の饗庭伸教授は「いろんな立場の人が、生活を良くしようと考えることが大切」と話します。街をどう縮小していくか。知恵の絞りどころです。

饗庭伸・首都大学東京教授「コンパクトシティー、すぐ実現は難しい」

「都市のスポンジ化」の現状と対策などについて、都市計画に詳しい首都大学東京の饗庭伸教授に聞きました。

――「都市のスポンジ化」はいつごろから問題視されるようになりましたか。

「都市計画関係の専門家の間では2000年代後半から指摘されるようになりました。人口が減っていく中で、都市は外側からじわじわと縮んでいくと考えられていましたが、現実は都市の大きさは変わらないまま空き家や空き地がランダムに出現するスポンジ化が進んでいるのです。空き家問題は、ゴミ屋敷になったり、周辺の治安が悪化したり、というスポット的な生活環境上の問題で扱われることが多いですが、スポンジ化は、これから都市をどう再編していくかという問題意識から空き家や空き地を捉えています」

――海外でもスポンジ化の例はありますか。

「ないと思います。国土全体でこれほど激しい人口減少が起きているのは日本だけでしょう。そもそも歴史的に見て、都市が大きくなる際に、農地が虫食いのように開発される『スプロール』現象が大きく進んだことが日本の特徴です。日本は個人の土地の所有権が強く、都市計画がうまく機能しませんでした。これが今のスポンジ化の問題へとつながっていきます。ただ、私はスプロール開発により都市が緩やかに広がることで、スラムが発生しなかったなどの利点もあったと考えています」

――都市の再編としては、街の中心に機能を集約する「コンパクトシティー」を掲げる自治体も増えています。

「コンパクトシティー政策は理想ですが、実際に人を思い通り動かすのは難しい。すぐに実現するのは難しいでしょう。都市は拡大するときは30年くらいでバーンと大きくなってしまいますが、小さくなるときは50年、100年といった時間がかかります。そしてその時に、確実にスポンジが出てきてしまう。50年後に都市が小さくなるからといって、50年間何もしないというのは人々の生活を支えることにはなりません。だから、スポンジの穴をどう使うかといった議論が必要なのです」

――スポンジ化にはどのような対策が考えられますか。

「空き家や空き地をどう活用していくかだと思います。みんなが使える公園にしたり道路にしたり、都市をより良くする方向に使っていかなくてはなりません。こうしたことを行政がやろうとするととてもコストがかかるので、不動産業者など民間で進めてもらうしかありません。街や暮らしを豊かにしようとする取り組みをするNPOや若者も増えています。行政はこうした人たちをつないだり、事業への参入障壁を低くしたりする工夫が必要でしょう」

秋葉原無差別殺傷事件に思う、勉強の意味

秋葉原無差別殺傷事件に思う、勉強の意味

数年前、東京秋葉原で無差別殺傷という悲しい事件がありました。はじめに犠牲者の皆さんのご冥福をお祈り申し上げます。またその関係者の方に、お悔やみ申し上げます。 このような事件が、二度と起こらないような社会にしなければなりません。そのために、この事件で考えたこと思ったことを教育の側面から書きたいと思います。
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秋葉原無差別殺傷事件の加藤容疑者が携帯サイトに書き込んだ内容

下記のものは、事件前の6月4日に秋葉原無差別殺傷事件の加藤容疑者本人が、携帯サイトに書き込んだとみられるもの。
(読売新聞6月10日からの抜粋)

5時51分 親が書いた作文で賞を取り、親が書いた絵で賞を取り、親に無理やり勉強させられてたから勉強は完璧
5時52分 親が周りに自分の息子を自慢したいから完璧に仕上げたわけだ
5時53分 中学生になった頃には親の力が足りなくなって、捨てられた
5時55分 中学では小学校の「貯金」だけでトップを取り続けた。中学から始まった英語が極端に悪かったけど、他の科目で十分カバーできてたし
5時57分 当然、県内トップの進学校に入って、あとはずっとビリ高校出てから8年、負けっ放しの人生
5時58分 自分で頑張った奴に勝てるわけない
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秋葉原無差別殺傷事件は親に対する復讐

この書き込みを見て、私は、この事件は、親に対する復讐なのではないかと思った。それほど、この書き込みには、子どもと親の断絶が感じられるし、子どもの親に対する憎しみが、感じられる。

加藤容疑者の両親は、教育熱心だった。この書き込みを見ると「親が書いた作文で賞を取り、親が書いた絵で賞を取り」と親の勉強に対する強い関与と子ども時代に勉強等で注目を受けたことが書いてある。

多分、その頃の加藤容疑者は、そんな自分と親の関係をそれほど気にしていなかったのではないだろうか。いや、むしろ歓迎していたのではないだろうか。しかし、中学生になってからは、その親の勉強に対する強い関与だけでは、小学校時代のように上手くはいかなくなった。そして、犲慢の息子瓩涼楼未ら段々外されていったのだろう。

だから、彼は、「中学生になった頃には親の力が足りなくなって、捨てられた」と書いたのだ。この頃から、徐々に操り人形としての自分から脱却しようとしたのだろう。高校進学でもきっと彼には葛藤があった。このままでは、親の期待には応えられないと。

しかし、親の期待と自分のプライドで、県内トップ高校へ進学したのだが、高校生になってからは、学力競争についていけずに、劣等感が植え付けられていったのかもしれない。そして、大学進学では、親から決別することになる。もう、親の言うことを聞く必要がないからだ。落ちこぼれの自分に親は必要ないと思ったのだろう。彼の優越感や劣等感の源泉も実は親の評価であったのかもしれない。

今回の書き込みは、大人になってから子ども時代を振り返り、その時点で考えていることだ。あの頃、親の操り人形になっていなかったら、こうなっていなかったという思いが感じられる。親の言いなりになって、したくもない勉強をやらされていた自分が、勉強を「自分で頑張った奴に勝てるわけない」と振り返っているのだ。

この事件は、人生に負け続けた人間が、その人生の最後で、誰かに注目されたいという思いが、起こさせたものかもしれないし、最後の彼の自己顕示欲が起こしたものかもしれないが、彼のこういう人生を決定付けた両親に対する復讐だと思えなくもない。

親にしてみれば、良かれと思って、教育に強く関与したのだ。こんな結末では、親も救われないだろうし、子どもである加藤容疑者自身も救われるものでない。
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勉強の意味とは勉強自体が自律するための道具になる

私は、勉強は子どもが自律するための道具と考えている。勉強ができるようになることが教育の目的なのではない。勉強は、子ども時代に目の前にある課題なのだ。その目の前にある課題に誠実に取り組むことを子どもに要求するだけだ。勉強の結果を評価するために、勉強をさせるのではない。勉強を競争の道具にしてはいけない理由もここにあるのだ。自律を促すものが、勉強以外にあるのならば、それでもいい。その程度のものが勉強だ。そう考えて見ることも重要なことだ。

もう一度確認して終わりたい。学校で優秀な成績をとることが勉強する目的ではない。勉強ができる、できないを親が評価して、子ども達の優越感や劣等感の源泉にしてはいけないのだ。

そのために、勉強をどう考えるかを私たちは、もう一度問い直してみることだ。大人になってからも、勉強することができるようにしてあげればよいし、それが認められる仕組みがあればいい。

その程度のものなのだ。勉強なんて。

秋葉原通り魔事件 行当時25歳 加藤智大

秋葉原通り魔事件 あきはばら とおりまじけんとは、2008年(平成20年)6月8日に東京都千代田区外神田(秋葉原)で発生した通り魔殺傷事件。7人が死亡、10人が負傷(重軽傷)した。マスメディアや本件に言及した書籍においては秋葉原無差別殺傷事件と呼ばれることが多い。

人命を奪った犯人の行動は決して正当化し得ないはずであるが、当時の匿名電子掲示板上では、犯罪の動機が明らかにならない内は、犯人を「格差社会の英雄」などと持て囃す投稿が多数見られた。

秋葉原無差別殺傷事件 加藤智大の弟の現在

『秋葉原事件』加藤智大の弟、自殺1週間前に語っていた「死ぬ理由に勝る、生きる理由がない」
「あれから6年近くの月日が経ち、自分はやっぱり犯人の弟なんだと思い知りました。加害者の家族というのは、幸せになっちゃいけないんです。それが現実。僕は生きることを諦めようと決めました。
死ぬ理由に勝る、生きる理由がないんです。どう考えても浮かばない。何かありますか。あるなら教えてください」
これは『週刊現代』の「独占スクープ!『秋葉原連続通り魔事件』そして犯人(加藤智大被告)の弟は自殺した」の中で、週刊現代記者の齋藤剛氏が明かしている加藤被告の実の弟・加藤優次(享年28・仮名)の言葉である。

この1週間後、優次は自ら命を断った。これを読みながら涙が止まらなかった。加藤被告の起こした犯罪のために、被害者の遺族の人たちは塗炭の苦しみを味わっている。だが、加害者の家族も苦しみ、離散し、弟は兄の犯した罪に懊悩し、ついには自裁してしまったのだ。

日本の犯罪史上まれに見る惨劇「秋葉原連続通り魔事件」が起きたのは2008年6月8日の日曜日。加藤智大は白昼の秋葉原の雑踏に2トントラックで突っ込み、さらにダガーナイフを使って7人もの命を奪った。

弟は兄が犯した事件によって職を失い、家を転々とするが、マスコミは彼のことを放っておいてはくれなかった。就いた職場にもマスコミが来るため、次々と職も変わらなければならなかった。そんな暮らしの中にも、希望がなかったわけではなかったという。事件から1年余りが過ぎた頃、筆者が彼のアパートを訪ねようとしたとき、たまたま女性と一緒に歩く姿を目撃したそうだ。優次は彼女に事件のことも話していたという。
正体を打ち明けるのは勇気のいる作業でしたが、普段飲まない酒の力を借りて、自分のあれこれを話して聞かせました。一度喋り出したら、後は堰を切ったように言葉が流れてました。
彼女の反応は『あなたはあなただから関係ない』というものでした
ようやく心を開いて話ができる異性との出会いは、彼に夢を与えてくれたのだろう。しかし、優次の夢は叶うことはなかった。事情を知りつつ交際には反対しなかった女性の親が、結婚と聞いたとたんに猛反対したというのだ。二人の関係が危うくなり、彼女も悩んでイライラしていたのだろうか、彼女から決定的なひと言が口をついて出たという。
一番こたえたのは『一家揃って異常なんだよ、あなたの家族は』と宣告されたことです。これは正直、きつかった。彼女のおかげで、一瞬でも事件の辛さを忘れることができました。閉ざされた自分の未来が明るく照らされたように思えました。しかしそれは一瞬であり、自分の孤独、孤立感を薄めるには至らなかった。
結果論ですが、いまとなっては逆効果でした。持ち上げられてから落とされた感じです。もう他人と深く関わるのはやめようと、僕は半ば無意識のうちに決意してしまったのです。
(中略)僕は、社会との接触も極力避ける方針を打ち立てました

秋葉原無差別殺傷事件「加害者家族もまた苦しんでいます」面会求める弟、拒否し続けた兄

優次は手記に繰り返しこう書いていたという。<兄は自分をコピーだと言う。その原本は母親である。その法則に従うと、弟もまたコピーとなる>

そして、<突きつめれば、人を殺すか自殺するか、どっちかしかないと思うことがある>

そんな言葉を筆者に漏らすようになっていった。母親は事件後、精神的におかしくなり離婚してしまった。父親も職場にいられなくなり、実家へ帰りひっそりと暮らしている。

優次は加害家族も苦しんでいることを知ってほしいと、このように書いている。ここには心からの叫びが吐露されているので、少し長いが引用してみたい。
被害者家族は言うまでもないが、加害者家族もまた苦しんでいます。でも、被害者家族の味わう苦しみに比べれば、加害者家族のそれは、遙かに軽く、取るに足りないものでしょう。(中略)
ただそのうえで、当事者として言っておきたいことが一つだけあります。
そもそも、「苦しみ」とは比較できるものなのでしょうか。被害者家族と加害者家族の苦しさはまったく違う種類のものであり、どっちのほうが苦しい、と比べることはできないと、僕は思うのです。
だからこそ、僕は発信します。加害者家族の心情ももっと発信するべきだと思うからです。
それによって攻撃されるのは覚悟の上です。犯罪者の家族でありながら、自分が攻撃される筋合いはない、というような考えは、絶対に間違っている。(中略)
こういう行動が、将来的に何か有意義な結果につながってくれたら、最低限、僕が生きている意味があったと思うことができる
彼は兄と面会したいと願い、50通を優に超える手紙を書いたという。だが1度として兄から返事が来たことはなかった。罪を犯した自分より早く逝ってしまった弟のことを知らされたとき、加藤智大被告は何を思ったのだろう。1度でも会ってやればよかった、そう思っただろうか。

京都大学ナンバーワン教官が教える「勉強することのホントの意味」 これがミライの授業だ

京都大学ナンバーワン教官が教える「勉強することのホントの意味」 これがミライの授業だ

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京都大学ナンバーワン教官が教える

推古元年(西暦593年)4月、聖徳太子は現在の大阪・四天王寺に、仏法修行の場として「敬田院」を開設した。

この日本で初めてつくられた公教育施設である敬田院の精神を受けつぎ、社会に貢献する女性の育成に力を入れているのが、学校法人四天王寺学園が運営する四天王寺中学・高校である。

2017年11月6日、その四天王寺中学の女子中学生約500名に、「なぜ勉強するのか」と題した講演が行われた。

演台に立ったのは、京都大学ナンバーワン人気教官の瀧本哲史氏。同氏は『ミライの授業』『武器としての決断思考』などのベストセラー作家としても知られている。

「ミライ」を生き抜いていかねばならない彼女たちに、瀧本氏は何を語り、どんなメッセージを贈ったのか。

京都大学ナンバーワン教官が教える どうして勉強しないとダメなのか

「どうして勉強しなければならないのか?勉強しなければならない理由とはなにか?」

今を生きる多くの大人も、かつては抱いたであろうこの疑問。大阪市内の伝統ある女子名門校として知られる四天王寺中学だが、その講堂に集まった約500人の女子中学生たちも、日々感じているに違いない。瀧本氏はその答えを解き明かすために、「まず最初に、いま世の中で起きている大きな変化について、説明したいと思います」と講義を始めた。

「みなさん、資本主義って言葉、聞いたことあるでしょう。資本主義というのは、一言でいえば『好きなものを、誰でも自由にお金で買える社会』のことです。日本やアメリカをはじめ、いま世界のほとんどの国がこのシステムを採用しています。それに対して『社会主義』というシステムもあります。

社会主義の国では、どこかにいる偉い官僚や政治家が『みんなはこれを買いなさい』と決める仕組みで社会を運営しようとしました。しかし、これはほとんどの国でうまくいきませんでした」


資本主義の社会では、何かを作るのが得意な人が、自分の好きなものを作り、それを自由に売ることでお金が儲けられる。

そのことによって企業や人々の間で健全な競争が起こり、世の中が便利に進歩していくというシステムだ。しかし近年、この資本主義システムが世界中で急速に進行したことによって、「あらゆる人が世界中から一番良いものを一番安く買えるようになり、そのことが日本経済の低迷をもたらした」と瀧本氏は語る。

「iPhoneを作っているアップルは、どこの国のメーカーだかわかりますか?」ステージ上から中学生たちに問いかけると「アメリカ!」とあちこちから声が上がった。

「そうです。でもじつはiPhoneの中の部品は、ほとんどが日本や台湾、韓国製です。スマホの組み立て自体も中国や台湾で行っていますから、『どこの国で作っている』と一言では言えないんですね。

スマホを持っている日本人のうち、今は半分ぐらいの人がiPhoneを使っています。富士通やNECなどの日本メーカーもスマホを作っていますが、シェアはiPhoneに比べれば非常に小さい。

昔はメイド・イン・ジャパンが『世界最高品質』の証明でしたが、今やそんなブランドイメージはゼロになってしまったんです」

資本主義が進んだ結果、現在の世界は、iPhoneのようなそれまでにない、まったく新しくて画期的な製品を最初に作りあげた企業だけが、儲けを独占する構造となっている。かつて世界の市場を制した多くの日本企業が、この10年で苦境にあえぐようになったのも、彼らが作る製品が「世界一」ではなくなったからだ。

資本主義の進歩と歩調を合わせ、社会に巨大な変化を起こしているのが、「テクノロジーの進歩」だ。人々の働き方にも巨大な変化をもたらしているその実例として、瀧本氏はスクリーンに二人の男性の写真を投影した。

「この人たちは何をしているんでしょうか?」
「駅員さん」「キップを切ってます」

片方の写真の駅員は、何十枚も並んだキップを前にして座っている。昔は駅に自動販売機が無かったので、乗客の行き先を聞いて、その値段のキップを駅員が手売りしていたのだ。

「それが今はどの駅もこうなっていますよね」と、瀧本氏は自動改札の写真を次に投影する。

「駅員さんだけではありません。最近AIの進化にともない、あらゆる仕事がどんどんコンピュータ化されています。皆さんが大人になる頃には、『答えが決まっている仕事』のほとんどは、コンピュータや人工知能を搭載したロボットが行うようになることが確実です」

そうした未来に生きていく子どもたちは、どのような力を身につければ良いのだろうか。

ハリー・ポッターと「君たちの将来」

瀧本氏が次に映し出した写真に、場内から歓声が上がった。「ハリー・ポッターだ!」。投影されたのは、映画『ハリー・ポッター』シリーズの登場人物、ハリーやハーマイオニーたち魔法学校の生徒が横並びに立つ写真である。

「そうだね、皆さん、毎日勉強していて『なぜこんな何の役にも立ちそうにない、三角関数とか平行線の証明とかをやらなきゃならないんだろう』と思いませんか?」

無言でうなずく生徒たち。

「でも実は、皆さんが今学校で習っているのも、ハリーたちと同じ『魔法』なんです」

瀧本氏がそう言うと、生徒たちは「どういうこと?」と言いたげに、ぐっと席から体を乗り出して耳を傾けた。

「現代の魔法というのは、科学と技術です。過去の偉人たちが発見した偉大な真理や発明が、いまの私たちの生活を支えています。例えば飛行機。150トン以上もある鉄の塊が、日本とアメリカの間の空を飛んでいくなんて、江戸時代の人が見たら『魔法だ!』とびっくりしますよね。そうした技術を支えている根本は、皆さんの多くの人が嫌いな『数学』なんです」

もしも人類が三角関数を発明していなければ、飛行機を飛ばすことも船を運行することもできない。電車のモーターや車のエンジンを作ることも不可能だ。現代社会の「魔法」はここ20年でさらにスピードを上げて進化し続けている。

「今から34年前に描かれた漫画のドラえもんに、『おこのみボックス』というひみつ道具が出てきます。小さな箱に『テレビになあれ』というとテレビになって、レコードで音楽を聞くことも、カメラにもなる。

それってつまり、皆さんが持ってるスマホですよね。スマホはさらに、ゲームもできれば電話やLINEで友だちと連絡を取り合ったりもできます。わずか30数年前の『夢の道具』が、それ以上の性能で、現実になっているんです」

医学の進歩でいえば、これから人間の平均寿命は100年を超える時代になるとも言われている。米国の起業家イーロン・マスクが経営するスペースX社は、人類を火星に送り込むことを真剣に目指してロケットを開発している。

今日の瀧本氏の講義を聞く彼女たちが大人になる頃には、道路を走る車の多くはAIにより自動運転になっている可能性が高い。20年前に今のスマホの隆盛を予見できた人は誰もいなかった。テクノロジーの進歩がもたらす未来は、現在を生きる我々の想像力をきっと超えるだろう。

「そうした技術の元になっているものこそ、今、皆さんが学校で習っている数学や自然科学です。つまり今、皆さんは学校で、『魔法の元』を習っているんです」

瀧本氏は、学校で教えてくれる学問の重要性について、次のような小咄を例に解説する。

「昔、中国の田舎に、数学がすごくできる中学生がいました。ある数学の研究者がその子の才能を見抜いて、『君は都会の学校に行って、数学の勉強をするべきだ』とアドバイスしました。しかし、その子の親は『うちで農業を手伝わせます』と進学を止めたのです。

何年かして研究者がその子に再会すると、彼はこう言いました。『先生、僕はすごい発見をしました。この公式を使うと、あらゆる2次方程式が解けるんです』。彼が見せたのは、皆さんが中3で必ず習う『解の公式』でした」

生徒たちがどっと笑う。「ゼロから車輪を再発明する」ようなことは、時間の無駄でしかない。すでに解明されている真理や、かつての人々が見出した知見、発明された技術は、できるだけ効率的に学ぶことが、新しいものを生み出すためには必要なのだ。

ナイチンゲールが偉大なワケ

「この人の顔は、きっと見たことがあると思います」

そう言って瀧本氏が映し出したのは、今から200年近く前のイギリスで、当時の世間の「常識」と戦い、医療の進歩に多大な影響を与えた女性、フロレーンス・ナイチンゲール(1820〜1910)である。

「ナイチンゲールという人は、何をした人?」
「看護をした人」
「そう、みんなそう思いますよね。でもそれはナイチンゲールの偉大な功績の、実は半分でしかありません。意外なことにナイチンゲールは、皆さんの多くが好きではない、数学の専門家だったんです」

看護と数学? いったいどういう関係があるのだろう、と生徒たちの顔にとまどいの表情が浮かぶ。

「兵士が戦争で死ぬのは、鉄砲で撃たれたことが理由だと思うでしょう。でも実際には、その30倍もの兵士が『きちんと看病されないこと』で死んでいたんです。ナイチンゲールはロシアとオスマン帝国の間で起きたクリミア戦争に派遣されたとき、重症を負ったわけではないのに、死ぬ兵士があまりにも多いことに気づきました。

床や壁は腐り、ゴキブリが這い回って悪臭が立ち込める戦地の病院には、医療物資や薬品も足りなかった。その不衛生な環境で、抵抗力の弱った兵士たちは感染症にかかって、ばたばたと死んでいたのです。

ナイチンゲールがすごいのは、そのことに気づいた後で、兵士たちを看護するだけでなく、彼らの死因をきちんとした統計データにとり、一目でわかるグラフにしたことにあります」

その当時は、棒グラフも円グラフも普及していない。ナイチンゲールは独自に「コウモリの翼」と呼ばれる円グラフを作り、兵士たちの死因の統計を1000ページ近くにもなる報告書にまとめ、イギリス女王が直轄する委員会に突きつけたのである。

ナイチンゲールがこの時に明らかにした、客観的なデータにもとづく医療施設の衛生環境の改善がなければ、現代の病院における死亡率も大きく変わっていたかもしれないのだ。ナイチンゲールは裕福な家庭に生まれたことから、幼少の時から最高の教育環境を与えられ、語学や文学、そして数学や統計学を学んでいた。

彼女がやり遂げた人類史に残る大きな「仕事」は、彼女が看護師になるずっと以前に学んだ「数学」と「統計学」によって達成されたのである。

続いて瀧本氏がナイチンゲールと比較の対象として、「残念だった人」として紹介したのが、文学者としては超一流の作品を残した森鴎外だ。当時最先端のドイツ医学を学んだ森鴎外は、明治時代に国民病と呼ばれた「脚気」の原因を、「脚気菌」という細菌が起こしている結核やコレラと同様の伝染病だと考えた。

「しかし脚気の本当の原因は、ビタミンB1の不足であることは今では常識です。当時も、ビタミンB1を多く含む麦を食べている人は、脚気にならないことがわかっていた。しかし陸軍軍医のエリートであった森鴎外は、その事実を無視して『食事なんて関係ない』と主張し続けた。

その結果、日清・日露戦争で何万人もの兵士が脚気が原因で命を落としました。多くの人々の役に立つ、新しいことを発見するポイントを、私たちはナイチンゲールから学ぶことができます。それは『思い込みではなく、誰もが納得するデータを集めること』なんです」

憲法ってナニ⁉

瀧本氏が次に紹介したのは、ベアテ・シロタ・ゴードン(1923〜2012)という女性だ。瀧本氏が「皆さんこの人を知っていますか?」と問いかけるが、誰からも手が上がらない。しかしこの女性こそが、わずか22歳にして、男尊女卑で女性が虐げられていた終戦直後の日本社会に「男女平等」という概念をもたらした人物だ。

「このベアテという女性はオーストリア生まれのユダヤ人で、親がピアニストでした。幼い頃から日本をふくむ世界中で暮らしたことから、日本語、フランス語、ドイツ語、英語など6ヶ国語に堪能となり、太平洋戦争の開始後その語学力を活かして、アメリカ陸軍の情報部や『タイム』という雑誌社で働きました」

ベアテはタイム社で働いていたとき、非常に優秀でありながら女性であるという理由で、リサーチ・アシスタントとしての仕事しか与えられなかった。当時のアメリカも男女平等の国ではなかったのである。

太平洋戦争が終わると、ベアテはGHQの職員に応募し、両親が暮らしていた「第二の故郷」である日本に帰ってきた。そして民主国家として日本が生まれ変わるための「日本国憲法」の草案づくりに携わる。

ベアテらに与えられた草案づくりの期間は、わずか9日間。彼女は持ち前の語学力と、リサーチャー時代に培った調査力を活かし、世界の国々の憲法を読み比べて、日本国憲法に明記されることになる「男女平等」の理念の土台を作ったのである。

日本国憲法第24条
一婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
二配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

「いま皆さんがこれを読むと『当たり前』と思うかもしれません。しかし戦前は、まったく当たり前ではなかったのです。まず女性には『財産権』という自分の財産を持つ権利が認められていなかった。

日本だけでなく、当時、世界でも男女平等の国はほとんどありませんでした。イギリスで1813年に刊行されたジェーン・オースティンの『高慢と偏見』という小説は、夫がいない女性が、父親が死ぬと財産が国に没収されてしまうので、急いで良い結婚相手を見つけうようとする、という筋書きです。日本国憲法ができた1946年の時点でも、ベアテが草案を作ったこの2つの理念を憲法に明記した国家は、世界でもきわめてまれでした」

重要なのは、「日本国憲法というのは、日本人だけで作った憲法ではない」ということだと瀧本氏は言う。

「日本国憲法は、アメリカやドイツをはじめとする世界中の憲法の『いいとこどり』をして作った憲法なんです。ベアテは6ヶ国語ができたから、世界中の憲法を集めて読み込み、日本国憲法に活かすことができた。ベアテがもしいなければ、日本国憲法に男女平等を明記した24条が明記されることは、ほぼ無かったでしょう」

実際、草案についての話し合いで日本政府側は、24条について『日本には男女同権の土壌はないから受け容れられません』と反対したという。だがGHQ側のリーダーが「この条文は日本で育ち、日本をよく知っている通訳のシロタさんが書いたもので、日本にとって悪いことが書かれているわけがありません。彼女のために通してもらえませんか」と主張して、残されることになったのである。

京都大学ナンバーワン教官が教える ルールを作るのはあなたたち

「ちなみに憲法の『いいとこどり』をしたのは、ベアテだけではありません。皆さん、『憲法』という言葉を日本で最初に使ったのは誰だかわかりますか?

しばらく生徒たちはざわざわと話し合ったあと「……聖徳太子?」という声が上がった。

「そのとおりです!じつは聖徳太子も、憲法をゼロから自分で作ったわけではなく、よその国の憲法を『いいとこどりして』十七条憲法を作っています」

聖徳太子の生きた時代、日本は海を隔てた中国大陸の大国・隋に脅かされていた。隋の周辺にあったアジアの国々は、隋に対する朝貢を欠かさず、日本もその例外ではなかった。

聖徳太子は、国家として日本がきちんとした仕組みを整えなければ、いずれ隋に征服されてしまいかねないと考え、隋と同レベルの国となるために、十七条憲法や冠位十二階などの制度を整えた。瀧本氏は「それらはほとんど隋の制度や条文を『いいとこどり』したものです」と指摘する。

「十七条憲法の中でもっとも有名な言葉、『和をもって尊しとなす』も、中国の偉大な思想家・孔子の『論語』に出てくる言葉からとっています。しかし聖徳太子のすごいところは、隋という当時の世界最大の国から、いちばん良いところを学び、その本質的な精神を自分たちのものにしたところなんです。

ちなみに真似された隋という国のほうは、法を作ってもきちんとそれを実行しなかったため、社会も政治も乱れ、わずか30年で唐に滅ぼされてしまいます。聖徳太子は十七条憲法をもとに、その法に流れる精神をちゃんと実行した。だからこそ『和をもって尊しとなす』の精神は、今も日本に残り続いているわけです」

瀧本氏は、四天王寺中学の礎である敬田院を作った聖徳太子について、解説を続けていく。

「皆さん、聖徳太子って、どういうイメージですか? なんとなく昔からの伝統とかを重んじる人、という感じを抱いていませんか。それは、ぜんぜん違います」

聖徳太子の事跡のなかでも、後の日本の歴史に多大なる影響を与えたことの筆頭といえば、仏教の国教化が挙げられるだろう。もともと仏教は、当時の日本に存在しなかった宗教だ。それまで日本は太古からの自然信仰に基づく、八百万の神を奉じる国だった。国家としての祭りや祈りも、すべて神に奉じられていたのである。

「しかし聖徳太子は、『これからは仏教の時代だ』と宣言して、十七条憲法の中にも『三宝を敬え』と書き、各地に寺を建立して広げていったわけです。もちろんこの改革に猛反対にあいます。

聖徳太子は、伝統の破壊者であり、創造者だった。四天王寺に学ぶ皆さんには、ぜひ聖徳太子の根本にある『他のところから良いことを学ぶ』『伝統に従うのではなく、自ら伝統を作り出す』精神を学んで欲しいと思います」

講義のなかで、瀧本氏は、「鉄の女」と呼ばれたイギリス首相のマーガレット・サッチャーや、63歳で国連難民高等弁務官になり、多くのクルド難民を救った緒方貞子氏らの軌跡を紹介していった。

そして最後にまとめとして、次のように語った。

「今日の話では、22歳の女性でも国の根本を変えるような憲法が作れるし、国連でまったく働いたことがない高齢の女性でも、ルールを変えて人を救うことができることを話しました。つまり『新しいこと』は、いつも世の中の新人が始めるんです。

昔のヨーロッパで、天動説が地動説に変わったのは『世代交代』が理由でした。天動説の信奉者は、結局死ぬまでそれを信じていた。『天動説はおかしい』と考える、新しい考え方を持つ若い人が世の中の多数派となったとき、初めて地動説が『定説』になったのです。

皆さんは若くてどこの世界に行っても新人です。でもそれゆえに、世の中を変えられる可能性が、大人よりもずっと大きいんです」

いつの時代も新しい発見は、常に若くて古いパラダイムに染まっていない新人によってもたらされる、と瀧本氏は力強く語った。

「では、今日の最初の質問に戻ります。皆さんは、何のために勉強するんでしょうか?」

誰かいるかな、と瀧本氏が広い会場を見回すと、おずおずと手を上げる一人の生徒がいた。マイクを渡された彼女は、次のように述べた。

「……私たちは今は何者でもないけれど、未来には何にでもなれる可能性があると思います。だからこそ、今興味が持てないことでも、勉強する価値がある、ということではないでしょうか」

答えを聞いた場内の女子中学生たちから「すごーい!」という声があがり、大きな拍手が湧き起こった。瀧本氏が今日の講義に込めた思いは、確実に彼女たちに伝わったようだ。

京都大学ナンバーワン教官瀧本先生のメッセージ

「そのとおりです。皆さんはまだ若いから、自分たちの物語を作ることができる。自分で脚本を描いて、自分が主役を演じることができる。どこにでもいる女子中学生で、何者でもないからこそ、何者にもでもなれる可能性を持っている。

でも『何者か』になるためには、世の中のみんなが知っていることを知る必要があるし、みんなが知っていることを、違う角度から見られるようになる必要がある。そのためにも、今皆さんが取り組んでいる勉強を、がんばってください。今日の講義はこのへんで終わりです。くれぐれも、数学が大切ということは忘れないでくださいね」

そう締めくくり、瀧本氏は壇上を去った。会場からは生徒と父兄から万雷の拍手が鳴り響いた。

終了後、この日の瀧本氏の講義を聞いた2年生の女子二人に、感想を聞いた。Aさんは「世の中で活躍する人は男性が多いと漠然と考えていましたが、女性で世の中を変えた人がたくさんいることを知りました。将来、私は医学の道に進みたいと思いますが、コンピュータにはできないゼロからイチを生み出す仕事をしたいと思います」と語った。

Bさんは「知識だけが必要な仕事は、やがてAIに置き換わると聞いて、そのとき求められる力は、『自分の考えを言葉にして、他の人に伝えていくことなのではないか』と感じました。今日聞いた緒方貞子さんの話のように、自分が正しいと信じる道を実現するために、今の勉強をがんばりたいと思います」と述べた。

「ミライの授業」で瀧本氏が女子学生たちに伝えたメッセージは、きっとそう遠くない将来、この世界のさまざまな場所で、大きく花開くことだろう。
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