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トヨタ、エンジン車だけの車種ゼロへ 2025年ごろ

トヨタ、エンジン車だけの車種ゼロへ 2025年ごろ

トヨタ自動車は18日、エンジン車だけの車種を2025年ごろまでにゼロにすると発表した。電気自動車(EV)に、ハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)も加えた「電動車」を、すべての車種に設定する。

併せて、20年から売り出すEVを20年代前半には10車種以上に増やすことも発表した。まず発売する中国に続いて、日本、インド、米国、欧州に順次投入していく。世界各地で強まる環境規制に対応していくためだ。

 トヨタは13日、電動車の世界販売台数の割合を15%から30年ごろには50%以上に引き上げる方針を発表。約150万台から約550万台に増やす想定だ。これを達成するため、電動車用の電池をめぐるパナソニックとの提携強化を検討することも公表していた。

 量産HVの「プリウス」を世界に先んじて発売してからことしで20年。HVや「究極のエコカー」と位置づけるFCVだけでなく、長く慎重だったEVにも注力。商品化の出遅れを取り戻していく。

 世界販売で首位を争う独フォルクスワーゲンが25年までに50種のEVを投じる方針を示すなど、電動車シフトは世界的に加速している。

トヨタ「JPNタクシー」デビュー1か月、その評判は? 「これタクシー!?」の声も

トヨタ「JPNタクシー」デビュー1か月、その評判は? 「これタクシー!?」の声も

トヨタの次世代タクシー車両「JPNタクシー」がデビューし、1か月が経ちました。その車内の広さに「これタクシー!?」の声も。車体色は、メーカーは「深藍」を推奨していますが、地方ではカラフルなものも登場しています。

まず驚くのは「広さ」 乗務員からも好評

トヨタの次世代タクシー車両「JPNタクシー(ジャパンタクシー)」が2017年10月23日(月)にデビューし、1か月余りが経過しました。東京の街でも徐々に見かける機会が増えたほか、地方でも導入が進んでいるようです。TAXI201712060001
日本交通の「JPNタクシー」。車体色は標準設定色のひとつ「深藍」(画像:日本交通)

トヨタ「JPNタクシー」デビュー

実際の利用者からはどのような評判なのでしょうか。都内大手の日本交通(東京都千代田区)に聞きました。

――「JPNタクシー」の利用者からは、どのような感想がありますでしょうか?

 まず「広い」「天井が高い」といった声が聞かれます。乗降を補助する手すりや、天井からつり革のように垂れさがるアシストグリップもちょうどよい位置にあって乗り降りしやすく、お客様ご自身で操作できる座面と背面のヒーターやエアコンの吹き出し口、手元を照らす読書灯も好評です。従来のイメージを覆すのか、良い意味で「タクシーじゃないよねこれ」とおっしゃる方もいます。

――車いすもそのまま載せられるなどの特徴がありますが、そのような人へ優先的に配車しているようなことはあるのでしょうか?

 現在は台数が少ないため、予約時の車種指定は受け付けているものの、確約はできないという条件です。やはり、「流し」の車両にお乗りいただく機会が多いでしょう。

――今後どう増備していきますでしょうか?

 当社グループでは現在130台ほどで、今後も増備していきます。東京では、2020年までにタクシーの3台に1台、つまり1万台ほどが「JPNタクシー」になるといわれています。

地方での評判はどうでしょうか。岡山県で「JPNタクシー」を最初に導入したうちの1社である岡山交通(岡山市)も、「お客様からは『広い』『乗り降りしやすい』といった声があるほか、窓や足元の空間も広く、乗務員も運転しやすいと話しています」といいます。トヨタの従来型タクシー車両である「コンフォート」と「JPNタクシー」を比較すると、たとえば室内高では1225mmから1370mmと、14.5cm程度アップしています。その広さは利用者だけでなく、乗務員からも好評のようです。

東京23区では「深藍」 地方ではバリエーションも?

「JPNタクシー」は、標準色として深藍(こいあい)、黒、白の3色が設定されています。おもに東京23区で「JPNタクシー」を販売する東京トヨペット(東京都港区)によると、「東京ハイヤー・タクシー協会さんが車体色の統一を呼び掛けていることもあって、東京23区エリアではおよそ9割に深藍が採用されています。ただ、多摩地区では黒のほうが多いほか、地方ではほかの色も見られるようです」と話します。
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黄色い車体色を採用した岡山交通の「JPNタクシー」(画像:岡山交通)

トヨタ「JPNタクシー」デビュー

たとえば、岡山交通は標準にない黄色の車体色を採用しています。「当社含む両備グループ(編集部注:主に岡山県で交通事業を展開する企業グループ)のタクシー会社で2台の『JPNタクシー』を導入(2017年12月初旬現在)していますが、いずれもグル―プにおける小型タクシーのカラーである黄色に統一しています」とのこと。

 岡山交通へ「JPNタクシー」を販売した岡山トヨペット(岡山市)によると、「メーカーとしては深藍で統一したいという思いはありますが、両備グループさんのように、車体色にこだわりをお持ちで黄色を納車した例もあるほか、標準色ではどちらかというと黒が多いです。もちろん深藍や白を導入するところもあり、たとえば白で走っていたところが急に黒になると、お客様の印象も大きく変わることから、おおむねそれまでの車体色に準じた色が選ばれています」と話します。東京23区ではほぼ深藍ですが、それ以外の地域では深藍以外の色も多く見られるという状況のようです。

 売り上げの面ではどうでしょうか。おもに東京23区を販売エリアとする東京トヨペットでは、12月5日(火)までの段階で約370台(登録台数。以下同)だそうです。一方、岡山トヨペットによると、岡山県内では12月初旬の段階で10台ほどだといいます。

 岡山交通は「価格が高いので少しずつではありますが、2018年も(『JPNタクシー』を)計画的に増備していく予定です」としています。従来型の「コンフォート」は、最上級グレードの「SG」でもおよそ233万円でしたが、「JPNタクシー」は標準グレードの「和」でおよそ328万円、上級グレードの「匠」でおよそ350万円。この価格差もあり、すぐに増備できるわけではないようです。

 このことから、岡山トヨペットによると「『コンフォート』の在庫分も並行して売れています」とのこと。「いま更新すべき車両を『コンフォート』でまかない、その在庫がなくなってから『JPNタクシー』を導入することを検討している会社もあります。『JPNタクシー』が本格的に売れ出すのは、『コンフォート』の在庫がなくなってからかもしれません」と話します。

 東京では2020年までにタクシーの3台に1台になるという「JPNタクシー」、全国で本格的に台数が増えるのは、これからといえるでしょう。

トヨタ ラッシュ 新型、インドネシアで発表…ダイハツからOEMの小型SUV

トヨタ ラッシュ 新型、インドネシアで発表…ダイハツからOEMの小型SUV

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トヨタ ラッシュ 小型SUV

トヨタ自動車のインドネシア法人、PTトヨタアストラモーターは11月23日、コンパクトSUVの新型『ラッシュ』を発表した。

ラッシュは日本国内において、2006年に発売された小型SUV。ダイハツ『ビーゴ』のOEMモデルだった。2016年3月、日本国内での販売を終了。しかし、インドネシアなどの一部海外市場では、引き続き販売されてきた。

今回発表された新型ラッシュは、同日、インドネシアでダイハツが発表した新型『テリオス』のトヨタ版。現地で人気の7名乗りの小型ミニバン、トヨタ『アバンザ』の車台をベースに開発された。

エンジンは、「2NR-VE」型1.5リットル直列4気筒ガソリン。駆動方式はFR、トランスミッションは5速MTとした。ボディサイズは全長4435mm、全幅1695mm、全高1705mm。3列シートを装備しており、乗車定員は7名となる。

トヨタ・マツダ・デンソー、EV開発の新会社設立へ=関係筋

トヨタ・マツダ・デンソー、EV開発の新会社設立へ=関係筋

トヨタ自動車<7203.T>、マツダ<7261.T>、デンソー<6902.T>の3社が電気自動車(EV)の開発を加速するため、新会社を共同で設立する方針を固めた。複数の関係筋が28日、明らかにした。同日午後にも発表する。

トヨタとマツダは今年8月に資本業務提携を発表し、これまで提携内容の1つであるEVの共同開発について具体的な検討を進めてきたが、新会社設立はその一環。

トヨタグループ最大手の部品メーカー、デンソーも新会社の運営に加わり、幅広い車種で共用できるEV部品の開発を急ぐ。3社でコストのかかるEV開発の負担をできるだけ抑えたい考えだ。

トヨタは昨年12月には、社長直轄でEVの開発や戦略を担う社内ベンチャー組織「EV事業企画室」を設置。社長自らが陣頭指揮を執ることでEVの早期量産化を目指してきた。同室にはデンソーのほか、グループ企業の豊田自動織機<6201.T>、アイシン精機<7259.T>からの出向者も在籍している。

トヨタのでかい「ハイラックス」は売れるのか

トヨタのでかい「ハイラックス」は売れるのか

「超ド級」「デカッ」「ハンパない」――。トヨタ自動車が9月12日に発売した新型車のパンフレットには、こんな文字が躍っている。

この新型車とは、ピックアップトラックの「ハイラックス」だ。2004年に国内から姿を消して以来、ファンから復活を望む声が強く寄せられており、13年ぶりに”復活”した。全国のトヨタ店で販売される。

■とにかく「でかさ」に驚く ハイラックス

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「普段使いで選択する人はいないだろう。普通にでかい車だ」と、トヨタ・CV(商用車)カンパニーの前田昌彦チーフエンジニアが表現するように、ハイラックスは国内で販売するトヨタ車の中では最も大きい車種の一つだ。サイズはボディ全長が5.3メートル超、幅も1.8メートルを超える。

2004年まで日本で販売していた6代目は全長が約4.7メートル、幅が約1.7メートルだったが、世界の標準車となるべく巨大化してお膝元に帰ってきた。排気量2.4リットルのディーゼルエンジンを搭載し、走行シーンに応じて2駆と4駆を切り替えられる。価格は326万7000円〜374万2200円。販売目標は年2000台だ。

 ハイラックスは1968年の発売以来、約180の国と地域で販売されている。現行モデルは2015年にフルモデルチェンジした8代目で、初代から数えて半世紀の歴史を持つトヨタを代表する車だ。世界での累計販売台数は、約1730万台に及ぶ。

タイからの逆輸入車であるハイラックスは、「IMV」とよばれる新興国戦略車の役割を持っている。悪路でも走行できるタフさや力強さに加え、後方にある大きな荷台に荷物を乗せやすいことが特徴だ。

 前田チーフエンジニアは、「気温50度を超える中近東やマイナス50度のロシア、標高4800メートルで空気が薄い南米ペルーなど世界各地で車を持ち込み開発してきた。過酷なラリーでもチーム優勝を達成するなど、そのタフさは生かされている」と語り、世界のどんな環境下でも壊れず、高い評価を得てきた自信を示した。

ただ、世界の中でも道路環境がいい日本でどこまで需要があるのかという疑問が出てくる。さらに、「ハイラックスは1ナンバークラスになるため、車検も毎年必要になるほか、デッキの荷物は雨が降れば濡れる」と、前田チーフエンジニアは自虐的に語る。

 それでも日本には現在約9000人のハイラックス保有者がおり、都道府県別では北海道が最も多いという。林業などの仕事で使っている人が大半だとみられる。まずはこうしたユーザーの買い換えを促す。

■”安くてエコな車”の全盛期は終わった ハイラックス

一方、今回の使命はそれだけではない。個性を重んじる新規ユーザーの獲得も狙う。発売を中止した当時と比べると、環境は変わってきた。安くてエコな車が大量に売れる時代から、自分の個性に合ったモノを選ぶ時代に移りつつある。伏線もあった。2014年に限定発売した「ランドクルーザー“70”シリーズ」が、ピックアップトラックタイプも含めて好評を得ていた。

 そして今回、満を持してピックアップトラックの国内復活に踏み切った。「車がコモディティ化する中でこういう車を欲しい人が必ずいる」と前田チーフエンジニアは断言する。さらに「自己主張やファッションの道具として使ってもらえないか。もっとハツラツと生きたいという団塊世代の人が選ぶかもしれない。ライフスタイルの選択肢として、この車があってもいい」との期待を示した。

くしくも今はアウトドアブームでSUV(多目的スポーツ車)の人気が高い。SUVの源流は、ピックアップトラックだ。トヨタはハイラックスの発売と同時に「ランドクルーザー プラド」もマイナーチェンジしたほか、来年1月に販売を打ち切る「FJクルーザー」でも最後の特別仕様車を投入する。

 昨今人気の高いSUVの多くが、乗用車と同じくフレームとボディを一体化したモノコック型なのに対し、ハイラックスやランドクルーザーはフレームとボディが分かれた構造であり、より強度や剛性、耐久性が増した本格的なSUVだ。ハイラックスはそうとう尖った車だけに、満足のいく販売実績を上げられるか。今後の商品ラインアップを考えるうえで、試金石となりそうだ。

トヨタ、新型ハイラックス発売!「復活してほしい」の声を受け13年ぶりに日本導入!

トヨタ、新型ハイラックス発売!「復活してほしい」の声を受け13年ぶりに日本導入!

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トヨタは、ピックアップトラックのハイラックスを13年ぶりに日本市場に導入し、2017年9月12日よりトヨタ店(大阪地区では大阪トヨペット)を通じて発売した。

価格は、Xが326万7000円、Zが374万2200円(消費税込)。なお、生産工場は、トヨタ・モーター・タイランドのバンポー工場となる。

ハイラックスは、1968年の発売開始以来、約180の国および地域で販売。累計世界販売台数は約1730万台と世界各国で愛用されている。

新型ハイラックスは、「タフ&エモーショナル」をコンセプトに、迫力と躍動感を表現。また、インテリアは、随所に施したシルバー加飾、青色で統一した室内イルミネーションなどが、洗練さを演出している。

外板色にはネビュラブルーメタリック、クリムゾンスパークレッドメタリックを含む全5色を設定し、内装色はブラックとしている。

なお、デッキの低位置にスチールバンパーを設定することで荷物の積み降ろし時の乗降性を確保したほか、大型のアシストグリップを配置し、スムーズな車両の乗降に貢献している。

新型ハイラックスは、2.4リッターディーゼルエンジン「2GD-FTV」を搭載。低回転域でも高トルクを発揮する動力性能を備えるとともに、高熱効率による優れた環境性能を実現し、走行燃費11.8km/L(JC08モード走行燃費)を達成した。

また、ダイヤル操作で駆動方式を選択できるパートタイム4WDシステムを装備。市街地や高速道路では静粛性や燃費性能に優れた2輪駆動とし、不整地や滑りやすい路面では4輪駆動に切り替えることで、快適性と走破性を両立した。

ヒルスタートアシストコントロールやアクティブトラクションコントロール、ダウンヒルアシストコントロールを設定することで、様々な路面状況に応じて駆動力を制御。オンロードからオフロードまで本格4WD車としての高い走行性能を実現している。

そして、高強度のフレームに加え、振動減衰を高めるサスペンションを採用し、オンロード・オフロードとも優れた走行安定性と乗り心地を確保した。

トヨタ、部品価格引き下げ要請。原価低減で減益回避狙う

トヨタ、部品価格引き下げ要請。原価低減で減益回避狙う

下期は上期と同水準に。サプライヤーの協力がカギに

 トヨタ自動車は2017年度下期(10月―18年3月)の部品価格引き下げ幅について、17年度上期(4月―9月)と同等水準にする方針を固めた。取引先部品メーカーへの正式要請を前に、内々に示し始めた。大半が1%未満の要求になる見込みだが、赤字の会社などは値下げが免除される場合もある。トヨタは18年3月期連結決算で2期連続の減益を予想しており、原価低減を継続する。

 トヨタは取引先部品メーカーと毎年2回、部品価格改定の交渉を実施している。衝突回避などの高度運転支援技術が搭載されるなど自動車の価格は高くなる傾向にある。価格競争力強化のためにも、取引先と一体となった原価低減の継続が重要となっている。

 14年度下期と15年度上期は利益の社会への還元を優先する形で部品価格の引き下げを見送っている。15年度下期に再開し、16年度下期からは引き下げ幅を拡大していた。

 トヨタの部品価格引き下げ交渉については、取引部品の値下げ余地や取引会社の状況を考慮して決める傾向が強まっている。「綿密に協議して決めるようになった」(部品メーカー幹部)と部品メーカーに理解を得やすい形で価格設定を進めている。

 トヨタは18年3月期に設備投資が1兆3200億円(前期比8・9%増)、研究開発費が1兆600億円(同2・1%増)と高水準の投資を計画する。

 原価改善効果は営業利益段階で前期比1000億円の増益要因としている。2期連続の減益を回避したいトヨタは、利益改善策の一つとして引き続き原価低減を推進する。

 トヨタは例年、3000億―5000億円規模で製造原価を低減し、営業利益の押し上げ要因としてきた。ただ、17年度の原価低減は原材料費の高騰などもあり、期初時点の予想で900億円にとどまっている。

 部品価格の引き下げ以外にもトヨタは2018年度から新たな原価低減活動を始める。主要部品メーカーに「RRCI」(良品・廉価・コスト・イノベーション)と呼ぶ活動の第3期目の取り組みを始めると伝えた。

 コスト目標などは個別に定めるが、20年代前半に市場投入する車種に活動成果を反映する考えだ。

トヨタの自動運転技術は遅れている? 他社と一線を画して慎重なワケ

トヨタの自動運転技術は遅れている? 他社と一線を画して慎重なワケ

トヨタ自動車は、「一般道」での自動運転技術の“実用化”を2020年代前半をめどにしているという。「高速道路」については、同時期に“商品化”することを表明している。しかし、他社のように高らかにアピールしていないため、テスラやグーグルなどの黒船にシェアをとられる?下請けになる?などの推測まで見られるのである。

■トヨタは自動運転技術に後れをとっているのか?

今秋発売予定のトヨタの最高級ブランド「レクサス」には、世界初となる安全・事故予防技術が採用されているという。高額な高級車であるからこそ、コストのかかる最新の技術を投入することができる。その裏をみると、トヨタが自律自動運転技術の分野でもトップランクの技術力をもっていることがうかがえるのである。

 ハイブリッド車の歴史を見ても、トヨタはすでに1970年代には実験的にセンチュリーやS800(通称:ヨタハチ)に積んで見せて、プリウスでの発表が1995年、実用車としての発売は1997年と、製造業の開発のスパンというのは何十年という長きにわたっているということがわかる。表には出ないがじっくりと研究開発は進んでいるのだ。(8月4日〜6日開催のオートモビルカウンシル2017では、ハイブリッド試作車S800を展示)

 このことから、自動運転技術について、決してトヨタが後れをとってはいないとみるのが正しいだろう。トヨタ幹部も、他社が採用している自動運転技術について現段階でも上回っている、と言及しているようだ。

■なぜトヨタは自動運転に慎重なのか?

端的に言うと「実用化」、これが難しいのが現実の社会である。IT産業ではアイデアだけで通用する場合があるが、自動車産業ではそうはいかない。 優良企業のタカタがエアバッグの不良で倒産まで追い込まれてしまったのも、1つは「実用化」の難しさにある。

 テスラが自動運転車で事故を起こしたことがニュースになったが、「自動運転」という括りが未だ不明確であることが問題になっている。アメリカ運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)が設定しているレベルによっては、人間がハンドルを握っていなくてはならない「運転支援」から「完全な自動運転」まで幅がある。

 メーカーがどの程度を自動運転と設定するのか、ユーザーが自動運転をどの程度と認識しているのか。これが明確になっていないと、とんでもない誤解が生じてテスラのような事故を起こしてしまうこともある。また、法整備が整っていなければ、メーカー、ユーザー(消費者)どちらの責任なのかも不明確になって、社会に混乱をきたしてしまう。事故が多発してメーカーの責任となったときには、タカタの後を追うことになるのである。

 このようなことをわきまえているのがトヨタである。品質保証の常道に従い“より確実に、効率良く”なった技術を世に送り出せるようになるまで、じっと機を待っているのだろう。これが社会インフラ当事者の責任なのかもしれない。

トヨタ「アクア」大ヒット車が密かに抱く憂鬱

トヨタ「アクア」大ヒット車が密かに抱く憂鬱

トヨタ自動車のコンパクトカー「アクア」。2011年の登場以来、普通乗用車(軽自動車除く)の車名別販売ランキングでつねに上位に食い込んできたヒットモデルだ。2013〜2015年は3年連続で暦年1位。今年上半期(2017年1〜6月期)も前年同期比約3割減ながら約6.4万台を売り、トヨタ「プリウス」(1位)、「C-HR」(3位)、日産自動車「ノート」(2位)に次ぐ4位につけた。

車両本体価格で200万円を軽く超えるプリウスよりも割安ながら、排気量1500ccのガソリンエンジンとモーターを併用するハイブリッド専用車としての燃費性能や、老若男女を選ばないデザインも受け入れられている理由だろう。ご近所の手前、乗っていて恥ずかしくない一方、ドイツ製輸入車のようにぜいたくにも見えない点から、セカンドカーユースだけでなく、1家に1台のファーストカーでも耐えうる商品性がある。

そのアクアが悩ましい状況にある。

■「3代目アクア」という表現が話題になっている理由

 今年6月19日、アクアはマイナーチェンジ(一部改良)を実施した。デザインを一新するとともにボディ剛性の強化やタイヤサイズの大径化などにより、乗り心地を向上。エンジン改良やハイブリッドシステムの制御を見直して、最高でガソリン1リットル当たり38.0キロメートル(38.0km/L、JC08モード)という高い燃費性能を達成した。クロスオーバースタイルの新グレード「Crossover」も設定された。

一方、マイナーチェンジ直後からオンエアが始まったテレビコマーシャルで流れたコピーが、自動車業界関係者の間で話題となっている。「三代目アクア」という表現だ。

 日本の乗用車において、「●代目」という表現は、その車名やコンセプトなどを引き継ぎながらも、クルマそのものをゼロから作り替える「フルモデルチェンジ(全面改良)」を行った場合に使われることが多い。たとえば、トヨタのプリウスは過去3回フルモデルチェンジしており、2015年末に登場した現行モデルは「4代目」と自動車業界内外で認識されている。

一方、アクアはこれまで一度もフルモデルチェンジを行っていない。テレビコマーシャルには画面上に小さい文字で、2011年のデビュー、2014年のマイナーチェンジを経て、今回のマイナーチェンジモデルを「三代目」としている旨の注意書きが入っていた。

■フルモデルチェンジできないジレンマを象徴している

 厳密には「初代アクア」のままのモデルを、今回のマイナーチェンジで「三代目」と大きくアピールしているというわけだ。それはアクアがフルモデルチェンジをしたくても、なかなかできないというジレンマを象徴しているようにも見える。

アクアのこれまでの輝かしい販売実績から考えれば、次期型へ刷新すれば一定以上のヒットが見込めるモデルであることは疑いようがない。2代目アクアがいずれは登場するだろうと、自動車業界内でも考えられている。ただ、すでに6年目に入っているアクアがこのタイミングでマイナーチェンジをしたということは、直近、少なくともここ1年ぐらいの間に次期型へ切り替わる気配は薄い。次期型の確定的な情報もほとんど聞こえてこない。フルモデルチェンジにはまだ時間がかかりそうなのだ。

トヨタはいま新型車について、TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)という、新世代プラットフォームの採用を進めている。第1弾が現行の4代目プリウス。続いて昨年末に登場した新型SUV「C-HR」、今年7月に国内で発売した新型「カムリ」でも用いられた。

 今後はトヨタ車全体でTNGAを展開していくことになるのだが、特にコンパクトモデルのモデル・チェンジ・スケジュールが、このTNGAの導入との兼ね合いでずれ込んでいるとの話もある。今年1月に実施されたトヨタのコンパクトカー「ヴィッツ」のマイナーチェンジもTNGAを採り入れた次期型がデビューするまでの「延命策」ともいわれている。アクアについても同じ構図が当てはまりそうだ。

それを反映してか、トヨタもアクアに従来のような大ヒットを見込んではいないようである。アクアの2016年(暦年)の販売台数は16万8208台。月平均で約1.4万台を販売したが、「3代目」と銘打っている最新アクアの販売目標は月間1万台と控えめだ。今年上半期(2017年1〜6月)の月販平均とほぼ同水準。マイナーチェンジとはいえ、多少の刷新効果も見込まれる中で、やや弱気の目標にも見えてしまう。

 ただ、かつて月販平均2万台以上を売った、アクアの絶対的な優位性も崩れている。今の最大のライバルは日産自動車「ノート」。2016年11月にマイナーチェンジを行い、同時に新開発のパワーユニット「e-POWER」 を導入した。

ノートe-POWERは、従来のノートと基本的に同じ1200ccエンジンに、電気モーターを組み合わせている。ただしエンジンは走行には使用せず、発電機を回すことに徹しており、前席下に収めたリチウムイオンバッテリーに貯蔵し、この電力で走る。「レンジエクステンダーEV」と呼ばれる電気自動車(EV)のような走行特性など、日産ファンを中心として、新しい顧客も呼び込むヒットとなっている。

 ホンダ「フィット」も6月29日にマイナーチェンジを実施しており、商品性を上げてきている。さらに7月12日にはスズキ「スイフト」にハイブリッドシステムが追加された。アクアのマイナーチェンジが目立つ状況にはない。

■基本設計が古い

 それだけではない、発売から6年が経ったアクアは、燃費性能こそ高いものの、最新の車種に比べて基本設計が古く、安全装備で競合に比べて見劣りしている。

 アクアはテレビコマーシャルで自動ブレーキを装備していることをアピールしている。ただ、このシステムは「トヨタセーフティセンスC」と呼ばれるシステム。衝突する危険性を察知した場合には自動ブレーキが作動するものの、検知する対象は前方車などに限られており、上級車向けに採用されている「トヨタセーフティセンスP」のように歩行者は検知できない。実はダイハツ工業の軽自動車「ミライース」に採用されている自動ブレーキ「スマートアシスト」の最新バージョンに劣るスペックとなっている。

ライバルのフィットは今回のマイナーチェンジで「ホンダセンシング」と呼ばれる衝突回避システムを採用、ノートやスイフトも含めてこれら競合車の自動ブレーキは歩行者検知機能を持っている。燃費や走行性能などの基本的な能力は高くとも、先進装備のアップデートが遅れぎみなアクアは、目の肥えた日本のユーザーへの訴求力という点ではライバルに見劣りする部分は否定できない。

 レンタカー向けをはじめとする「フリート販売」は販売台数を確保するうえでの頼みの綱の一つとなるかもしれないが、アクアには降雪地帯に欠かせない4WDの設定がないのはちょっと悩ましい。たとえば、北海道は旅行客向けのレンタカー需要が旺盛な地域だが、冬場を考えるとFF(前輪駆動)のみのアクアを積極導入しにくいだろう。

ノートはe-POWERこそFFのみながら、ガソリン車には4WDの設定があり、ここへ来てフリート販売が目立っていると指摘する販売現場の声がある。また、フィットやスイフト、マツダ「デミオ」も4WDの設定がある。

 マイナーチェンジをしたばかりのアクアが、2016年の実績を大きく下回る販売目標を設定しているという事実は、4WDがないハンデを映し、フリート販売も含めて競合車種と比べたときの相対的な競争力の低下を意識しているのかもしれない。

トヨタ専務「日米でセダン復権めざす」、新型カムリ国内発売

トヨタ専務「日米でセダン復権めざす」、新型カムリ国内発売

トヨタ自動車<7203.T>は10日、約6年ぶりに全面改良した主力セダン「カムリ」を国内で発売した。日米など主力市場でセダンはスポーツ用多目的車(SUV)に需要を奪われている。吉田守孝専務役員は「セダンは正直、成長市場とは言えない」のが現状だが、今回の新型カムリで「セダンの復権を目指す」と強調した。

トヨタの新しい設計思想「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」に基づき、プラットフォーム(車台)やパワートレインなどをすべて一新した。国内では、直列4気筒2.5リッターのエンジンをベースにしたハイブリッド車タイプのみで、価格は329万4000円から。月2400台の販売を目指す。燃費は1リットル当たり33.4キロ。これまでのトヨタカローラ店に加え、トヨペット店、ネッツ店の3チャネル約4000店舗での併売とした。

衝突回避支援パッケージ「セーフティ・センスP」を全車に標準装備。また、後退時の死角に左右後方から接近して来る車両を検知して自動的にブレーキを制御する「リヤクロストラフィックオートブレーキ」機能をトヨタブランドとして初採用した。吉田専務は「セダンの人気が高かった80年代に車を楽しんできた世代や若い人にも受け入れられる」と述べた。

米国では今夏後半に発売する予定で、ハイブリッド車のほか、直列4気筒2.5リッター、V型6気筒3.5リッターのガソリンエンジン車も用意する。開発責任者の勝又正人氏は、カムリはなくてはならない安心の車という意味から「北米を中心に『食パン』といわれてきた。ただ、良い車だが、ワクワクドキドキしない。このままではいけない」との思いから開発したといい、現行カムリと同水準の「月3万台超え」の販売を狙う、と語った。

カムリは1980年に国内専用モデル「セリカ カムリ」として誕生し、82年には現在の車名「カムリ」として一新し世界販売を始めた。米国では乗用車市場で15年連続1位を獲得する主力車種。現在は100以上の国・地域で販売され、昨年末までに累計1800万台超を売り上げている。
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