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トヨタ・マツダ・デンソー、EV開発の新会社設立へ=関係筋

トヨタ・マツダ・デンソー、EV開発の新会社設立へ=関係筋

トヨタ自動車<7203.T>、マツダ<7261.T>、デンソー<6902.T>の3社が電気自動車(EV)の開発を加速するため、新会社を共同で設立する方針を固めた。複数の関係筋が28日、明らかにした。同日午後にも発表する。

トヨタとマツダは今年8月に資本業務提携を発表し、これまで提携内容の1つであるEVの共同開発について具体的な検討を進めてきたが、新会社設立はその一環。

トヨタグループ最大手の部品メーカー、デンソーも新会社の運営に加わり、幅広い車種で共用できるEV部品の開発を急ぐ。3社でコストのかかるEV開発の負担をできるだけ抑えたい考えだ。

トヨタは昨年12月には、社長直轄でEVの開発や戦略を担う社内ベンチャー組織「EV事業企画室」を設置。社長自らが陣頭指揮を執ることでEVの早期量産化を目指してきた。同室にはデンソーのほか、グループ企業の豊田自動織機<6201.T>、アイシン精機<7259.T>からの出向者も在籍している。

マツダ、逆張りの「エンジン」強化 EV時代の自動車業界 独自戦略の勝算は?

マツダ、逆張りの「エンジン」強化 EV時代の自動車業界 独自戦略の勝算は?

マツダが、環境に優しいエンジン技術に磨きをかけている。英仏政府が2040年にガソリン・ディーゼル車の販売禁止方針を打ち出すなど逆風にあるが、当面は大多数を占めるエンジンの燃費改善が環境負荷の低減に最も有効とみているためだ。マツダは資本提携で合意したトヨタ自動車と電気自動車(EV)の共同開発を進めるが、エンジン開発は競争領域と位置づけ性能の高さを競い合う。

 「内燃機関(エンジン)で理想を徹底的に追求し、世界一を目指す」

 マツダの小飼雅道社長は燃費性能を現行モデルよりも最大30%程度高めた次世代エンジンを発表した8月8日の記者会見で、こう力強く宣言した。マツダが2019年に投入する次世代エンジンは「スカイアクティブ・エックス」と名付けた。濃度が薄いガソリンでも燃やすことができる世界初の技術を採用し、燃費を改善。加速性能も高めた。

 マツダの小飼社長は8月4日にトヨタとの資本提携合意を発表したが、現時点でトヨタに次世代エンジンを供給する考えはないと説明した。エンジンは各社の技術力が試される心臓部であり、自動車メーカーが最優先に取り組む一丁目一番地。エンジンはガソリン車中心に新興国で需要が強いうえ、ハイブリッド車(HV)にも、家庭で充電できるプラグインハイブリッド車(PHV)にも搭載される。エンジンの重要性は変わらない見通しで、マツダとトヨタが出遅れたEVのように協調領域ではなく、競争領域というわけだ。

 マツダが、燃費と加速性能の高さを両立させた次世代エンジンの開発にこぎつけたのは、独自の燃費向上技術「スカイアクティブ」を武器に「理想の燃焼に近づける取り組みを徹底的に進めてきた」(藤原清志専務執行役員)からだ。とりわけマツダはディーゼル車の窒素酸化物(NOx)の排出抑制技術で他社をリードしており、既存のスカイアクティブの燃焼改善にも並行的に取り組むという。

 英仏に加え、中国やインド、米国を中心にEV化の流れが広がり、エンジンに対する風当たりは強まりつつある。その中でもエンジン強化の姿勢を打ち出したのは、35年時点でも世界の新車販売に占めるEV割合は約1割にとどまり、HV、PHVを含め8割以上にエンジンが使われるという国際エネルギー機関(IEA)の予測が現実的だとみているからだ。電気自動車は二酸化炭素(CO2)の排出量は走行時にゼロでも、発電段階で石炭や石油を使用すれば全体ではエンジン車より多いとの試算があるうえ、充電器の整備など普及に向けた課題も多い。それよりもエンジンの燃費を3割改善させればその分、排ガスは減る。電動化技術と組み合わせれば各国で異なる環境規制などに応じた車両開発にもつなげられるとみているわけだ。

 それだけにマツダにとって、最大の競争力の源泉となるのは独自のエンジン技術との位置づけは不変で、資本提携するからといってマツダの技術をトヨタに供与するつもりは毛頭ない。

 「協力し、競争しあう」

 トヨタの豊田章男社長は4日のマツダとの資本提携合意会見でこう述べた。EVや米国での共同工場の立ち上げでは協力するが、デザインやエンジン開発は互いに切磋琢磨(せっさたくま)する分野との認識を示したものだ。

 会社の規模でマツダはトヨタの10分の1程度に過ぎないが、豊田氏をして「わたしたちの目指す『もっといいクルマ作り』を実践している会社」と、開発力で高い評価を受けるマツダ。提携を通じて資金力が必要になるEVでは豊富なキャッシュを持つトヨタの力を借りながら遅れを挽回しつつ、得意のエンジンではさらに技術に磨きをかけ、独自性を追求するという“したたか戦略”で、自動車業界の変革期を乗り切る。
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