北朝鮮がレッドライン超えた 日本の国会議員は「モリ・カケ」やってる場合か?うんざりだ!

レッドライン(最後の一線)を越えた。

もちろん北朝鮮のことだ。11月29日午前3時過ぎ、平壌近郊の平安南道平城付近から弾道ミサイル1発を発射した。

緊迫する北朝鮮問題

kita201712020001金正恩朝鮮労働党委員長は9月15日に「火星12」を発射して以来、75日の沈黙を守ってきたが、自制したわけでも、改心したわけでもなかった。そうとは思っていたが、その時間を性能向上に充てた。今回発射した新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」で「米本土全域を攻撃できる」「超大型の重量級核弾頭を搭載可能」な性能をついに手に入れた。北朝鮮の主張はハッタリではない。

朝鮮中央テレビは11月29日午後、「火星15」の発射実験に成功したとする声明を発表し、「国家核戦力完成」を宣言した。到達高度は過去最高の4475キロに達して950キロ飛行したとした。

高い角度で打ち上げて飛距離を抑える「ロフテッド軌道」とみられ、米軍備管理専門家は、通常軌道で発射された場合の飛距離は1万3千キロ以上に達し、ワシントンを含む米全土が射程を収めることができると分析し、北の主張を裏付けた。

労働新聞は40枚以上の写真を公開、その中には、金正恩氏の満面の笑みの写真もあった。写真の金氏はまるでふくよかな子供のよう。おもちゃのようにミサイル実験をして成功すれば、そりゃうれしかろうとしか言いようがない。

一方の日米韓。安倍晋三首相は、トランプ米大統領と電話で会談し、北朝鮮への圧力強化を重ねて確認し、中国のさらなる役割が重要との認識を共有した。首相は韓国の文在寅大統領とも電話会談した。

11月30日付の産経新聞によると、与党関係者は「フェーズが変わった」と語り、水面下では米国の軍事行動が起きた際の対応も進めるという。また、複数の政府・与党関係者は「状況は政府が10月の衆院選前に想定したシミュレーション通りだ。年末年始に向けて北朝鮮状況はますます厳しくなる」と危惧しているという。

北朝鮮に対しトランプ大統領は

トランプ大統領は、引き続き圧力をかける立場を強調し、ティラーソン米国務長官は国際社会に対し、国連安全保障理事会の北朝鮮制裁決議の履行に加え、北朝鮮を行き来する物資の海上輸送の阻止を含む海洋安全保障の強化に向けた新たな措置を講じるべきだと訴えた。

この措置の注目点は、朝鮮戦争の国連軍に参加した米英など16カ国を軸とし、中国やロシアを当てにしていない新たな枠組みを設定したことだ。

8、9月に「火星12」を発射した北朝鮮の次なる発射は米本土を射程とし、通常角度での実験が確認されていなかった「火星14」の可能性が高いとみられていたため、より高性能な「火星15」の発射は米国に予想を上回る強烈なインパクトを与えている。「火星15」の発射を受けて開かれた国連安全保障理事会の緊急会合で米国のヘイリー国連大使は演説で「世界は戦争に近づいた。仮に戦争が起きれば、北朝鮮の体制は間違いなく完全に破壊する」と言い切った。

トランプ政権は「全てのオプションがある」との戦略を崩していない。「戦争は政治の延長」という理論に照らせば、「大量破壊兵器を開発、全土を攻撃可能なミサイル」を保持する北朝鮮への軍事攻撃を否定する理由は米国にはない。世界は戦争に近づいているのだ。 

ところが、日本の国会は、相も変わらず「モリ・カケ」(森友・加計学園問題)でうんざりする。

今回の発射で ミサイルは約53分間、約1千キロ飛行した後、青森県西方約250キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。米国を刺激する要素を極力抑えた一方で、日本はまたも脅威にさらされた。

米国内では北の核保有を容認し、新たな開発凍結と厳しい管理で手を打つというシナリオも検討されていると聞く。そうなれば、日本にとって最悪の展開だ。

日本の国会議員は北朝鮮問題そっちのけ

「モリ・カケ」の追及こそがお仕事と思っている国会議員には、こうした日本を取り巻く安全保障環境がおわかりにならない。国民の命にかかわる問題が最優先なのは当たり前だろうに。