石原裕次郎記念館 26年の歴史に幕 妻まき子さんも感謝

戦後を代表する大スター、石原裕次郎さんの愛用品や資料を展示する北海道小樽市の「石原裕次郎記念館」は31日を最後に閉館し、26年の歴史に幕を閉じた。最終日は多くのファンが詰めかけ、裕次郎さんとの思い出に浸った。

小樽市は裕次郎さんが3歳から9歳まで過ごした「第二の故郷」。没後4年の1991年、裕次郎さんが愛した小樽の海とヨットハーバーに隣接した海沿いに開設され、石原プロモーションの子会社が運営してきた。愛車のロールスロイスや、遺品のソファなどで再現された自宅の居間、映画やドラマの資料などを展示し、これまでに約2020万人が訪れたが、設備が老朽化し塩害も進んだため閉館を決めた。

 この日は石原プロモーション会長で裕次郎さんの妻まき子さんや、俳優の舘ひろしさん、神田正輝さんが記念館を訪れた。

 まき子さんは記者会見で「閉館はとてもつらく寂しいが、裕次郎が大好きな小樽で26年間愛していただいたことを、裕次郎も喜んでいると思う」とあいさつした。今後全国で遺品展を開催する予定で、第1回は来年7月に東京都内で開く予定という。

 この日が15回目の来館という札幌市中央区の富士和子さん(73)は「裕次郎さんは優しくて豪快なスター。私の青春だった。中学生の頃にファンレターの返事をもらい、友達と取り合って破ってしまったのが懐かしい思い出です」と目を細めた。