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江藤幸子

江藤幸子 須賀川祈祷による信者殺人事件

江藤幸子 須賀川祈祷による信者殺人事件

20120927_0028_188x106事件当時年齢 47歳
犯行日時 1995年1月〜6月
罪状 殺人(6人中4人)、傷害致死、殺人未遂

須賀川祈祷による信者殺人事件概要

福島県須賀川市の祈祷師、江藤幸子被告は、元自衛官で幸子被告の愛人だった根本裕被告、幸子被告の長女裕子被告、重機オペレータ関根満雄被告とともに、幸子被告宅に同居する信者7人に対し、動物の霊を追い払う「御用」と称して太鼓ばちで全身をなぐるなどし、無数の打撲などで死に至る挫滅症候群で男女6人(当時49〜18)を死亡させ、女性1人に重傷を負わせた。暴行は信者1人当たり約10〜20日以上続き、長時間正座させたり飲食やトイレを制限するなどもした。
 事件は親類に救出された信者の供述から発覚し、1995年7月、家宅捜査で幸子被告宅から腐乱した6遺体が見つかった。

江藤幸子拘置 仙台拘置所

死刑執行 2012年9月27日
江藤幸子 須賀川祈祷による信者殺人事件
須賀川市・祈祷師宅の信者6人変死事件 江藤幸子
悪魔払い殺人事件 江藤幸子

須賀川市・祈祷師宅の信者6人変死事件 江藤幸子

須賀川市・祈祷師宅の信者6人変死事件 江藤幸子

20120927_0028_188x106事件概要
1995年7月5日、福島県須賀川市小作田の祈祷師・江藤幸子(当時47歳)方で、傷害容疑で家宅捜索していた須賀川署員が、1階の八畳間で男性2人、女性4人の計6つの遺体を発見。江藤と信者3人が緊急逮捕された。
 江藤と信者らは「悪魔祓い」と称して、信者の全身を太鼓ばちで叩き死亡させていた。
 2002年5月、福島地裁で江藤に死刑判決。

須賀川市・祈祷師宅の信者6人変死事件 6人の遺体

福島県須賀川市に住む男性が「6月頃から息子が行方不明になっている」と須賀川署に捜索願を出したのが事件の発端だった。
 署員が息子(43歳)の妻・X子(当時37歳)から事情を聞いていたところ、2人とも5月上旬から6月中旬にかけて、市内の祈祷師・江藤幸子(当時47歳)方に身を置いていたことがわかった。

 X子は江藤宅で数人から暴行を受けて入院しており、7月5日、署員らは同市小作田の江藤方を傷害容疑で家宅捜索した。
 すると1階八畳間で、男性2人、女性4人の計6つの腐乱遺体を発見。布団の中で寝ている状態で、一部はミイラ化していたという。江藤と、信者と見られる江藤の長女Y子(当時23歳)、元自衛官N(当時21歳)、同県鏡石町の土木作業員S(当時45歳)が緊急逮捕された。遺体を放置していたことについて、「魂は死んでいないので、そのまま寝かせていた」と供述。信者らは遺体の悪臭が消えたら蘇生すると信じて疑わなかった。

 7月6日、遺体となって発見されたうち5人の身元が判明する。それぞれ死後数ヶ月たっており、何かで叩かれたような後があった。

・Sの妻・A子さん(56歳)
・市内の無職男性Bさん(56歳)
・その妻・C子さん(48歳)
・その長女・D子さん(19歳)
・市内の無職男性E(43歳)

 さらに同10日、6体目の遺体が同県滝根町の元店員F子さん(27歳)のものと判明。F子さんは5月の連休中から行方がわからなくなっていた。

須賀川の祈祷師 江藤幸子

江藤は地元の高校を卒業後、同級生と結婚。一男三女をもうけている。事件の6年ほど前に、近くの市営住宅から、阿武隈川沿いの振興住宅地に引っ越してきており、当初は化粧品のセールスの仕事をしていた。
 江藤の夫はペンキ職人だったが、腰を痛めて仕事をやめてからは、ギャンブルに狂い、借金から新築したばかりの家を手離す寸前までいく。こうしたことから夫婦そろってある岐阜に本部を置く宗教団体入信。夫婦は「おがみやさん」という宗教活動を始めるが、勝手に宗教団体の本部の名前を使ったことから2年で破門となった。

 92年ごろ、夫が失踪すると、江藤は教祖としての才能を見せ始め、徐々に信者を獲得するようになった。江藤宅は土日を中心に若い人が多く集まり、近くの空地には車が停められるようになった。ナンバーは「練馬」など、遠方からやってくる人も多かった。
 近所には昼夜問わず、太鼓を叩く音や、お祈りする声が聞こえてきたという。近くに住むある女性が、江藤に診てもらったところ、「だんだん足が動かなくなります。手も動かなくなります」と催眠のようなものをかけられた。江藤はこの行為について、「汚れた肉体を殺し、魂を浄化するためのもの」と説明し、女性は気味が悪くなったという

 1994年末、江藤は信者2家族10人ほどと同居を始める。この頃から、「悪魔祓い」「御用」と呼ばれる暴力がエスカレートし始めた。
 江藤は集団生活のなかで、信者であるNと愛人関係となり、「○○様」と呼ばせていたが、同居するA子さんがNに色目を使ったと思いこみ、その嫉妬から江藤は「悪いキツネが憑いている」と、A子さんの全身を太鼓ばち叩いた。さらに自身の長女であるY子や、A子さんの夫Sにまで殴るように指示し、死亡させた。

 その後も、Bさん一家、Eさんさん夫婦を無数の打撲などで死に至る挫滅症候群で死亡させた。殺害されたのは江藤のやり方に疑いを持った者や、借金の申し出を断った者だったという。暴行を受け重傷を負い、事件発覚のきっかけとなったX子も、こうした儀式に参加した1人だった。

須賀川市・祈祷師宅の信者6人変死事件 江藤幸子 裁判

1995年8月16日、福島地検は「殺意を認定するだけの具体性のある証拠が得られなかった」と殺人罪ではなく、傷害致死罪で福島地裁に起訴。
 同9月18日、殺人罪で起訴。

 1997年3月、仙台高裁、X子懲役3年、執行猶予5年の判決。 

 精神鑑定のため3年間の公判中止を経て、2002年5月10日、福島地裁・原啓裁判長は「自己中心的に信者を次々殴り殺したのは、宗教的行為とは言えない。責任はあまりに大きく極刑で臨むしかない」と江藤に死刑を言い渡す。またNとY子に無期懲役、Sに懲役18年を言い渡した。江藤は即日抗告した。

 2005年11月22日、仙台高裁・田中亮一裁判長は「社会に与えた不安と衝撃は軽視できない」と控訴を棄却。

 2008年9月16日、最高裁・藤田宙靖裁判長は上告を棄却。江藤の死刑が確定。藤田裁判長は「なぶり殺しともいえる陰惨な犯行で、6人の命を奪った結果は重大。自らを神の使いとする宗教的集団を形成し、絶対的な祈祷師力を背景に、信者に暴行を加え死亡させたもので、刑事責任は際だって重い」と指摘。

江藤幸子 死刑執行

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