歌舞伎町早朝5時の無法地帯! 区役所通りに出現した“黒人ヤミ市”の正体
仙頭正教です。アジア一の繁華街、新宿歌舞伎町のガイド人をやっています。ガイドといっても、私の場合、歌舞伎町の立ちんぼスポットからボッタクリ客引き、心霊ビルまで、町の“怪しい”スポットを紹介するのがメインです。
さて、そんな歌舞伎町では、黒人の客引きが相変わらず跋扈しています。
国籍はナイジェリア、ガーナ、エチオピアといったアフリカ系が中心で、外国人女性のガールズバーや連れ出しスナックを勧めてくるんですが、とりわけ近年は、外国人観光客にアプローチしている姿が目立ちます。彼らもまた、このインバウンド増の時流を、チャンスと思っているのかもしれません。
そんななか最近、歌舞伎町の「区役所通り」「さくら通り」で、奇妙な光景を目にします。客引きの黒人たちから「服屋」と呼ばれる一人の黒人がどこからともなく車で現れ、アヤシイ移動販売をやらかしているんです。
場所は公道。客は全員黒人の客引き。商品は真贋の怪しいブランドの服や靴。さしずめ「黒人ヤミ市」と言ったところでしょうか。
◆早朝5時。歌舞伎町・区役所通りに“黒人ヤミ市”が出現
歌舞伎町にそのヤミ市カーが現れるのは、毎週日曜の早朝5〜6時半頃にかけて。まずは区役所通り『カラオケ・パセラ』前、その後さくら通り『ギラギラガールズ』前、と順番に回っていきます。取材に足を運んだ11月5日(日)の朝も、ヤミ市カーの回りには、黒人たちが集まっていました。日本人は一人もおらず、近寄りがたい雰囲気が漂っています。
しかしこちらが声をかけると、特に警戒されることはなく、招き入れてくれました。ヤミ市カーの主らしき、オレンジ色のニット帽の黒人が、日本語で応対してくれます。
「ナニ見タイ? ジーンズ?」
車のトランクカバーの上にずらっと並べられるジーンズ。値段は全部5千円とのことです。
『Louis Vuitton』というタグが付いた商品に目が留まりました。
「…このヴィトンって、フェイクですよね?」
「ノーノー、フェイク、ジャナイ」
本当でしょうか? 実に疑わしいんですが…。
靴も見せてほしいと頼むと、トランクが開けられました。ブランドモノの靴が大量に入っています。こちらは商品によって値段が違うとのこと。
「この、グッチはいくらですか?」
「1万5千円」
「本物っすか?」
「ホンモノ。フェイク、ジャナイ」
あくまで正規販売ということですが、このヤミ市カー、いったい何モノなんでしょうか?
◆黒人ヤミ市は、六本木や渋谷で開かれている!?
すると、客の黒人の一人が声をかけてきました。「安イネ。本当ニ」
「…そうですね。何か買われたんんですか?」
「3コ買ッタヨ」
手に持ったビニール袋を開いて見せてくれます。
「この服屋でよく買われるんですか?」
「ソウソウ、ミンナ買ッテル。彼ハ、アメリカ、イギリス、仕入レ行ッテル。イイ物持ッテルカラ」
「この服屋さんって、どういう方なんですか?」
「彼ハ、六本木デ、オ店ヤッテテ。コレハ、趣味デヤッテル」
何でも、歌舞伎町だけではなく、六本木や渋谷も回っているんだとか。
かくして6時半過ぎ、販売を終えた闇市カーは、歌舞伎町を去って行きました。
◆歌舞伎町の質屋が「タグが正規のモノではありません」 黒人ヤミ市
このヤミ市、オレンジニット帽の黒人の、いわゆる、週末副業ってやつなんでしょう。同胞の黒人連中が客引きの仕事を終える早朝にインポートブランドの移動販売とは、まったくよく考えたものです。が、真贋の確認のために購入したヴィトンジーンズを、歌舞伎町の質屋に持ち込んでみると、案の定「タグが正規のモノではありません」とのこと。また、公道での移動販売には『道路使用許可』が必要ですが、おそらくその点でも法律に触れていると思われます。
歌舞伎町交番で、警察官にこちらの取材写真(今回撮影分と今年8月撮影分)を見せたところ、「知らなかったです」とのことでしたが、そのうち取り締まられるかもしれません。