「老後の心配」は貯蓄の多さで変わる? 一人暮らしの人は?

一人暮らしの人の、老後の心配度合いは?

貯蓄の多い少ないによって、「老後の心配」は変わるものでしょうか。金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]」(2016年)の「老後の生活についての考え方」より、老後の心配がどれくらい違うかについて比較してみました。

ご自分の貯蓄額に近いものとあわせて、ぜひご覧ください。

※当記事の「貯蓄」とは、「金融資産」全体のことをさします。預貯金だけでなく、株や投資信託などの流動性の高い金融資産も含みます。

貯蓄が増えるにつれて、老後の心配度が減っている!

「老後の生活(高齢者は、今後の生活)」において、「それほど心配していない」「心配である(非常に心配・多少心配)」という、心配の度合いについての調査結果を、貯蓄別に抜粋しました。

●貯蓄100万円未満
それほど心配していない…14.4%
心配である…85.6%
→非常に心配…54.5%★
→多少心配…31.0%

●貯蓄300万円〜400万円未満
それほど心配していない…15.3%
心配である…84.7%
→非常に心配…47.2%★
→多少心配…37.5%

●貯蓄1000万円〜1500万円未満
それほど心配していない…14.8%
心配である…85.2%
→非常に心配…45.1%★
→多少心配…40.1%

●貯蓄2000万円〜3000万円未満
それほど心配していない…29.1%
心配である…70.9%
→非常に心配…18.6%★
→多少心配…52.3%

●貯蓄3000万円以上
それほど心配していない…42.6%
心配である…57.4%
→非常に心配…18.3%★
→多少心配…39.1%

いかがでしょうか。特に上記の★印をご覧ください。「非常に心配」と答えた人が、貯蓄が増えるにつれて、54.5%→47.2%→45.1%→18.6%→18.3%と、どんどん減っていることがわかります。

また、「それほど心配していない」と答えた人は、貯蓄が増えるにつれて、14.4%→15.3%→14.8%→29.1%→42.6%と、基本的には増える傾向にあります。

老後の心配度は、貯蓄額に反比例しているということがおわかりいただけるのではないでしょうか。

一人暮らしは、将来かかるお金のことも見据えておこう
一人暮らしで老後を迎える方は、夫またや妻や、子どもがいる方に比べると、家を借りるときや、入院になったとき、介護を受けるとき、介護施設に入るときなど、家族の助けを得られない分、お金でカバーする機会が増えるものです。また、受け取る年金も、共働夫婦の世帯に比べると、単純計算で半分になります。ところが、家賃が半分になるわけではないので、基本的な生活費は、夫婦2人分の半分よりは、やや多めに必要です。

50代、60代で老後について考えるようになってから「老後資金が足りない!」と慌てることになっては大変。できるだけ早いうちから、貯蓄を増やしておくと安心につながります。「老後資金」と限定しなくても、何にでも使えるように、貯めていく習慣をつけましょう。

ただし、若いうちからひたすら貯めることに集中して、「今」を楽しまないのはもったいないこと。「将来(老後)の自分」と「今の自分」、それぞれのバランスをとることを意識してみてくださいね!