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高齢者区分が「75歳以上」なら90歳まで医療費は3割負担

高齢者区分が「75歳以上」なら90歳まで医療費は3割負担

政府は政策で「1億総活躍社会」「生涯現役社会」「健康長寿社会」などのキーワードを打ち出しているが、その真意は高齢者を働かせ、なるべく年金を払わないようにするということだ。

 政府に「高齢者は働け」と主張させる“理論的根拠”を与えたのが、日本老年学会と日本老年医学会のワーキンググループが今年1月にまとめた提言だ。

 65歳以上を高齢者と定めた従来の定義を「医学的根拠はない」と否定し、「現在の高齢者は10〜20年前と比較して加齢に伴う身体的機能変化の出現が5〜10年遅延しており、『若返り現象』がみられています」と、今後は「75歳以上」を高齢者、「90歳以上」を超高齢者と区分することを提案した。

 年金制度は定年後の生活保障であり、受給開始年齢は「サラリーマンの定年年齢+5歳」で決められてきた。そもそも身体的機能の衰えや高齢者かどうかは関係なく、元気な世代が年金で悠々自適の余生を送ることは制度に反していない。

 しかし、学会の提言が出されるや自民党一億総活躍推進本部は前述のように“まだ現役”と65〜74歳を「シルバー世代」と名づけて働かせ、年金保険料を払わせて支え手になる社会の構築を打ち出したのである。

 現在の高齢者がサラリーマン時代の保険料の総額を計算すると、驚くべき金額になる。厚労省の標準モデル(現役時代の平均月収40万円で厚生年金に40年加入)の場合、支払った年金保険料の総額は2948万円に達する。老後の蓄えとなる退職金以上の金額を国に保険料として納めてきたのだ。

 現役時代に平均3000万円近い年金保険料を国に納めた高齢者たちに、さらに負担させようというのか。

 それだけではない。高齢者の定義が75歳以上に引き上げられると、現在65〜74歳の全国1752万人の医療費負担が1.5倍にハネ上がりかねない。

 年金制度に詳しい「年金博士」こと社会保険労務士の北村庄吾氏が指摘する。

「若返り現象の学会報告がより影響してくるのは医療費です。現行の制度では70歳未満は窓口で払う医療費は3割、74歳までは2割、75歳以上の後期高齢者は原則1割負担となっている。しかし高齢者の定義が75歳以上に引き上げられれば、2割負担だった人は全員3割になり、75歳の後期高齢者に適用されている1割負担も90歳以上の超高齢者だけが対象になる可能性がある」

 かつて70歳以上は「老人医療費無料化」制度の対象だったが、平均寿命を超える90歳まで医療費を3割負担させようとしている。

60歳以上の2割、子や孫へ生活費 ほぼ賄うケースも

60歳以上の2割、子や孫へ生活費 ほぼ賄うケースも

60歳をすぎても、18歳以上の子や孫の生活費を一定以上負担している人が2割いることが、内閣府の調査でわかった。近く閣議決定される今年の高齢社会白書に盛り込まれる。生活費をもらう子や孫の8割は働いていて、収入が足りない若い世代を親世代が支え続けているようだ。

 調査は昨年6月、全国の60歳以上の男女約2千人から聞き取りで実施した。83・4%は学生を除く18歳以上の子どもや孫がいて、生活費について尋ねたところ、16・3%が「一部まかなっている」と答え、「ほとんどまかなっている」も4・6%いた。

 生活費を出してもらっている子や孫は72・9%が同居していた。20・7%は無職だったが、8割は働いており、正社員・職員が47・5%、パート・アルバイトは19・8%、自営などが7・6%だった。

 子や孫の収入状況は調べていないが、60歳以上の平均収入は年金を含めて月10万〜20万円未満がもっとも多く32・9%。20万〜30万円未満が26・4%、5万〜10万円未満の15・2%が続いた。経済的な暮らし向きについて「心配ない」は64・6%に上り、「心配」の34・8%を大きく上回った。
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