「長年恨みがあった」3人刺殺容疑者…大家と店子の間に何が

「長年恨みがあった」3人刺殺容疑者…大家と店子の間に何が「大家に恨みがあった」−−。川崎市幸区で30日、アパートの大家と弟夫妻の3人が刺殺された事件。逮捕された入居者の津田寿美年容疑者(57)は大家への積年の恨みを供述し、大家らへの不満を周囲に漏らしていたという。

 神奈川県では昨年、猫の餌やりを注意された入居者に大家が殺害される事件も起きた。

 大家と入居者の間に何があったのか、県警は動機を詳しく調べる。

 事件があったアパート「幸栄荘」は、殺害された大家の柴田昭仁さん(73)の自宅がある敷地に立っており、いずれも殺害された弟の嘉晃さん(71)が102号室、嘉晃さんの妻敏子さん(68)が104号室に住んでいた。津田容疑者は2004年5月から嘉晃さんの隣室の103号室に入っていた。嘉晃さんが以前アルバイトをしていた近所の青果店経営の男性(63)は「嘉晃さん夫妻は逮捕された男と隣人だったが、男がよく店で『隣にいつも文句を言っている』と話すのを聞いた。今朝は7時頃、サイレンの音で目が覚めて外に出たら、嘉晃さんが担架で運ばれていたのでびっくりした」と話した。

 津田容疑者は昨晩、近くのスナックでも大家への不満を口にしていたという。近所の人は、「津田容疑者が嘉晃さん夫妻の洗濯機の音への不満を口にするのを聞いた」と話した。

 幸署幹部によると、津田容疑者は逮捕時、酒に酔っていたが、「俺が刺した。大家に長年恨みがあった」と供述している。殺害された敏子さんや津田容疑者が来ていた居酒屋経営者の男性(52)は、「敏子さんは明るくて気さくな人だった」と言葉を詰まらせた。

 川崎市川崎区のアパートでは昨年6月、野良猫への餌やりなどを注意されていた住人の無職男(70)が大家の男性(当時76歳)をナイフで刺して殺害。今月25日、横浜地裁川崎支部は男に懲役22年の実刑判決を言い渡した。伊勢原市でも昨年7月、借家の老朽化を理由に退去を迫られた男(73)が、大家の男性(当時61歳)を刺殺する事件もあり、同地裁小田原支部で公判中。