パナソニック「一体化」試金石 エアコン北米市場参入
パナソニックがエアコンの「空白地」だった北米でも試験販売を始めることで、エアコンの世界展開を本格化させる。三洋電機との協業が進出の後押しとなり、海外展開にはずみがついた形となった。パナソニックグループが目標に掲げる2012年度の海外売上比率55%達成に向け、完全子会社化する三洋と一体で海外進出を加速させる。「売っていない国の方が少ないが、北米はまだだった」とパナソニック幹部。同社の家庭用エアコン事業は、中国市場を中心に欧州やロシア、ナイジェリアなどアフリカにも拡大。海外売上比率は6割を超え、白物を代表するグローバル商品になっているが、北米は残された地域だった。
北米市場での日本メーカーは、三洋やダイキン工業、三菱電機などが業務用を中心に参入しているものの、空調方式の違いや販売網整備の難しさからシェアは低い。日本と同様の空調方式が主流のアジアや欧州での市場の伸びが大きいため、日本メーカーは両地域での販売を強化している。
しかし、金額ベースでは北米は世界最大の市場で、メーカーにとって無視できない。ダイキンは過去2回の撤退を経て、2007年にマレーシアの空調メーカー、OYLインダストリーズと傘下の米マッケイ・インターナショナルを買収し、北米で「3度目の正直」を狙う。10年度の北米・南米での売り上げ目標は前年比16%増に設定した。
北米で主流の室内機と室外機が一体のダクト式は工事費がかさむため、「リーマン・ショック以降、他の方式の商品が増えている」(日本冷凍空調工業会)といい、日本メーカーにとって追い風といえる状況も出ている。三菱電機は「北米で日本方式のシェアは小さいが、新興国に比べ単価が高いので売り上げが1%伸びるだけでも大きい」と話す。
三洋は世界最大の空調メーカー、米キャリア社と業務提携するなど、米国内で一定の足場を持つ。今回の協業が軌道にのれば、パナソニック、三洋の「一体化」を目指す先行事例の一つとなりそうだ。






