株主総会 1056社が一斉に開催
3月期決算企業の株主総会は27日にピークを迎え、警察庁によると全国で1056社(昨年比5社増)が一斉に開催する。総会屋はメンバーの減少や高齢化などがさらに進んで影響力が低下。総会の現場では、増加傾向にある一般の個人株主を企業のファンとして取り込もうとする取り組みが目立っている。「異議なし」。東証1部上場の老舗企業の株主総会には、2000年ごろまで約500人の社員株主が動員され、会場の3列目までを占めていた。経営陣の提案に拍手で応え、総会屋らによる「不規則発言」を大声で抑え込んだ。
だが、警察庁によると、法改正や企業側のコンプライアンス意識向上の影響などにより、1983年に約1700人いた総会屋は2012年末現在で約280人にまで激減。同社の場合も総会屋対策で参加する社員はいなくなり、今は最前席に個人株主が座る。
壇上にあった発言用のマイクスタンドも近年、ワイヤレスマイクに変更された。個人株主が株主席で発言しやすくするための配慮だという。
一方、役員が担当していた経営状態などの説明は、社長が行うようになった。総会屋による批判の矢面に社長を立たせないため、従来は発言そのものがまれだったが、「社長のメッセージが一番株主に響く」として、最近は発言機会を増やしているという。
この数年は来場者に土産も配布し、今年の総会(25日)には前年比の倍近い来場者があった。担当者は「個人株主を会社のファンとしてどうやって取り込んでいくかが課題」と強調する。
大手食品メーカー「キユーピー」(東京都渋谷区)は今年から、総会に出席できない株主からも事前に質問をファクスなどで受け取り、会場で質問者を決める際も挙手制ではなく抽選方式に改めた。個人株主を意識した新しい取り組みで、担当者は「終了後のアンケートでは『公平で良かった』などと好評だった」と手応えを話す。
全国5証券取引所によると、3月末の5取引所の上場会社3540社の個人株主数はのべ4596万人で過去最高となった。
ただし、一部には「総会屋化」の動きも出始めている。捜査関係者によると、今年に入り、株主総会に出席できなかった個人株主が複数の企業に「総会出席者に配る土産を郵送しろ」などと要求。企業側が受け入れたケースもあったという。
警視庁の幹部は「総会屋にはカウントされないものの悪質な個人株主は決して少なくない。警戒が必要」としている。






