「みずほ銀行」名実ともに一体化へ システム障害回避に神経とがらす

みずほフィナンシャルグループ(FG)傘下のみずほ銀行とみずほコーポレート銀行が7月1日に合併し、新「みずほ銀行」が発足する。中核銀行が2つに分かれていた状態が解消されることで、縦割り意識を排除し名実ともに一体化を図れるか、真価が問われそうだ。一方、みずほは過去に2度も大規模なシステム障害を起こしており、2行の合併に伴う障害の回避に神経をとがらせている。

「『ワン(1つの)みずほ』の旗印のもと、新たなグループ戦略を推進し、企業価値の向上を図る。私自身が先頭に立つ」。みずほFGが25日に東京都内で開いた定時株主総会で、佐藤康博社長は約3600人の出席株主にこう力説した。

 みずほ銀とみずほコーポ銀は、前身の旧第一勧業、旧富士、旧日本興業の3行が統合・再編して2002年4月に発足。個人や中小企業向け取引を手がけるみずほ銀に対し、みずほコーポ銀は大企業向け取引や海外業務を担当。各行が専門的な金融サービスを提供するのが当初の狙いだったが、縦割り意識から人材の融合が進まないとの批判は以前から絶えなかった。

 新みずほ銀の頭取は、みずほFGの佐藤社長が兼務する。佐藤氏に持ち株会社と中核銀行の意思決定権限を集中し、経営のスピード感を高める狙いがある。すでに2行は、昨年4月から「実質ワンバンク(1銀行)」の取り組みを本格化。双方の金融商品や金融技術の部門、顧客取引の部門に横串を刺し、役員の兼務を広げるなどして、収益底上げや効率化に努めてきた。合併で実際に1つになれば「実質ワンバンクで取り組んできた効果が徐々に結実してくる」とメリルリンチ日本証券の大槻奈那アナリストは語る。

 BNPパリバ証券の鮫島豊喜シニア・アナリストは「今後は、みずほコーポ銀が築いてきた先進的な金融商品や金融技術を、みずほ銀の顧客層に応用する流れに弾みがつく」とみる。一方、みずほでは2行が発足した02年4月と東日本大震災の発生直後の11年3月にそれぞれ、大規模なシステム障害が発生。一部の現金自動預払機(ATM)が止まったり、給与などの振り込みの遅れが生じるといった混乱を招いた。2度目の障害で失墜した信頼の回復に抜本的な経営刷新が必要となり、今回の2行合併につながった経緯がある。

 2行は別々のシステムを使っており、当面は双方のシステムをつないだ状態で業務を続ける。合併が迫り「テストも通常の2倍行っている。ミスのないように全力を挙げ、万全の態勢で臨む」(みずほFGの安部大作副社長)としている。

 合併に伴い、今月29日午前0時から7月1日午前8時まで、みずほ銀のATMを含むすべてのオンラインサービスを一時休止する。この間はコンビニエンスストアのATMなども含め、みずほ銀のキャッシュカードは使えない状態となる。無事に船出できるのか、これまで積み上げた努力の成果が問われる。