虐待死 チャットに夢中、心境は? 28日から裁判員裁判
肺炎の三男(当時1歳7カ月)を病院に連れて行かず死なせたとして、保護責任者遺棄致死罪に問われた大津市の無職、高橋由美子被告(30)の裁判員裁判が28日、大津地裁(飯島健太郎裁判長)で始まる。高橋被告は当時、インターネットのチャットに夢中になっていたとされ、三男に命の危険があったと認識していたかなどが主な争点。無罪主張とみられるが、虐待問題の専門家は、チャットに夢中になった心境が語られれば、虐待防止策を考えるきっかけになると注目している。起訴状によると、高橋被告は2011年6月、自宅で高熱を出し、せき込む症状が出ていた三男に適切な医療措置を受けさせず、気管支肺炎で死亡させた、とされる。県警が12年6月に保護責任者遺棄致死容疑で逮捕。鑑定留置されたが、刑事責任能力があるとして、大津地検が同11月に起訴した。判決は来月6日の予定。
県警などによると、高橋被告は、08年4月に生後間もない男児を心臓疾患で亡くし、09年には長男がマンションベランダから転落死している。事件当時は次男と三男との3人暮らしだったが、調べに「長男を亡くし、育児も家事もやる気が起きないことがよくあった。チャットに癒やしを求めた」などと供述したという。三男の体重は同世代の平均約10キロを下回る7.2キロしかなかった。
大津市は、三男が生まれる前の09年6月から高橋被告に、おむつを替えないなどのネグレクト傾向があることを把握。相談員が自宅を訪問し、チャットにのめりこむ姿も目撃していたが、事件を防ぐことはできなかった。事件を受けて滋賀県は検証部会を設置しており、今後、再発防止策などを提言する予定。
NPO法人「日本子どもの虐待防止民間ネットワーク」(名古屋市中区)の兼田智彦事務局長は「どうしてチャットに夢中になっていたのか、子育てから逃げたい何かがあったのかなど、母親の心境が語られれば、同じことが繰り返されないように何が必要だったかを考える手掛かりになるだろう。真実が明らかになり、ほかの子どもたちの命を救う支援につながる裁判になってほしい」と話している。






