第一生命が米中堅生保を数千億円で買収交渉 成立すれば日生に並ぶ国内最大手に

第一生命保険が米中堅生保のプロテクティブ生命を買収する方向で最終調整していることが2日、分かった。買収額は数千億円規模となる見通し。第一生命とプロテクティブは、早ければ週内の基本合意を目指して交渉を進めている。買収が成立した場合、第一生命の売り上げに当たる保険料収入は、国内最大手の日本生命保険にほぼ並ぶ規模に浮上する。

 第一生命は2日午前、「米国生命保険会社の買収に向けた検討を行っていることは事実ですが、現時点で決定した事実はございません」とのコメントを発表した。

 買収額は確定しておらず流動的な要素が残っているが、第一生命は、少なくとも議決権の過半数を取得する方針とみられ、国内生保による企業の合併・買収(M&A)では過去最大となる公算が高い。

 国内の生保業界は、人口減少で市場規模の縮小が避けられない。第一生命はこれまでも、東南アジアやオーストラリアでM&Aを駆使した積極的な事業展開を進めてきた。今回、世界最大の保険市場であり、安定した収益が見込める米国に本格進出することで、収益基盤の強化を図る狙いだ。

 第一生命は平成22年4月、国内で初めて法人の形態を相互会社から株式会社に転換し、東京証券取引所に上場した。26年3月期の連結保険料等収入は4兆3532億円で、日本生命保険に次ぐ業界2位。海外戦略もオーストラリアやアジアで生保会社の買収や出資をするなど積極展開している。