京都府出資の第3セクター、負債228億円で民事再生
一般社団法人京都府森と緑の公社(TDB企業コード509000687、京都府京都市上京区出水通油小路東入丁字風呂町104-2、代表理事小田一彦氏)は、6月5日に京都地裁へ民事再生法の適用を申請した。申請代理人は古家野泰也弁護士(京都府京都市中京区三条通烏丸西入御倉町85-1、電話075-223-2788)ほか。
当法人は、1967年(昭和42年)9月設立の森林整備など行う京都府出資の第3セクター。96年8月に「社団法人京都府造林公社」から「社団法人京都府森と緑の公社」に変更、2014年4月に現名称となった。森林資源の備蓄を進める国の拡大造林政策のもと、森林所有者との分収造林契約により計画的な造林を実施。森林所有者に代わって地理的条件の悪い山間奥地の森林を対象として、補助制度や公庫資金融資制度の措置を活用し、これまで約4652ヘクタールの分収造林事業を推進してきた。
しかし、分収造林事業は伐期まで収入が見込めず、伐採収入があるまでの間は、借入金に依存した事業運営を余儀なくされる構造的な問題により、長期債務が増加。2014年3月期の年収入高(経常収益)は約3億7000万円を計上し、利益を確保(正味財産期末残高の増減)していたが、同期末時点で225億5500万円の借入金を抱えていたことから見通しが立たず、大幅債務超過に陥る可能性があることから今回の措置となった。
この間、京都府は昨年2月に当法人の解散方針を決定し、今年5月14日には、当法人と造林契約を結んでいる森林277カ所のうち約9割に当たる244カ所を京都府が引き継ぎ、27カ所は採算がとれない山として、樹木を立木のまま森林所有者に返還することで合意したことを表明。さらに5月15日の当法人の理事会において、京都地裁へ民事再生法の適用を申請することを決定。6月3日の総会で報告後、今月中に申請する予定としていた。
負債は約228億円。