「自衛隊機が接近」と反論=異例の映像公開―日本を批判、真っ向対立・中国国防省

中国国防省の耿雁生報道官は12日、東シナ海の公海上空で中国軍の戦闘機が自衛隊機に異常接近したことを受けて談話を発表し、日本の戦闘機2機が中国機の30メートルまで接近・追跡し、「中国側の飛行の安全に重大な影響を与えた」と反論した。その上で「国際社会を欺き、わが軍のイメージをおとしめ、地域の緊張をつくり出した」として日本側の対応を批判。「中国側はさらなる措置を取る権利を留保する」とけん制した。
 国防省はウェブサイト上で談話とともに、52秒のビデオ映像と写真も公開。中国機から撮影したとみられる映像では自衛隊のF15戦闘機が接近してきたように見える。自衛隊機の番号を指摘する声も録音され、F15戦闘機2機が接近したことを示唆している。
 中国国防省がパトロール中の戦闘機の映像を公開するのは異例。日本側の発表した異常接近とは違う映像とみられ、日中が真っ向から対立する展開となった。
 国防省によると、中国空軍が、東シナ海に設定した防空識別圏で定期パトロール中の6月11日午前10時17分(日本時間同11時17分)、Tu154情報収集機がF15戦闘機2機の接近に遭ったとしている。
 一方、日本の防衛省によれば、中国軍のSU27戦闘機2機が11日午前11時〜正午ごろ、航空自衛隊のYS11EB電子測定機と海上自衛隊のOP3C観測機に後方から近づき、このうち1機が約30〜45メートルまで接近した。
 国防省はこれについて「自衛隊機2機が中国の防空識別圏内で偵察活動を行ったため、関連規定に基づき中国軍の(主力戦闘機)殲11を出動させ、自衛隊機への識別・認証を行った」と指摘。「日本側との距離も150メートル以上を保持した」として日本側の発表と食い違っている。その上で「日本側パイロットは危険で明らかに挑発的だった」と主張した。