親子関係不存在の確認求める=無戸籍の32歳女性―神戸家裁

埼玉県在住の無戸籍の女性(32)が12日までに、母親の前夫(故人)と親子関係がないことの確認を求める訴訟を、神戸家裁に起こした。
 訴状によると、女性の母親は1973年に前夫と結婚し兵庫県明石市に居住したが、家庭内暴力を受け80年2月、東京に逃れ別居。そこで女性の実父と知り合い妊娠し、81年に女性を出産した。
 当時、母親と前夫は離婚しておらず、出生届を出すと、民法の規定で戸籍上の父親は前夫になる。父親でないことを証明するには前夫と連絡を取る必要があるため、母親は84年の協議離婚後も届けを出さなかった。
 代理人らによると、女性は無戸籍のまま中学を卒業できたが、公的な証明書がなく高校進学などを断念し、アルバイトで生活せざるを得なかった。最近になって前夫の死亡を知り、前夫を父親としない戸籍を得るため今年4月に提訴したという。
 12日の第1回口頭弁論で原告側は、「母親と前夫は別居後、全く音信が途絶え、交流もなかった」などと主張した。