世界の「現代奴隷」人口、約3580万人 報告

綿花摘みや大麻の栽培、売春から、戦闘への参加、富裕層が嫌う清掃作業などを強要される世界の「現代の奴隷」人口は約3580万人に上るとする報告書が17日、非人道的な労働環境の改善を目的に活動する「ウオークフリー・ファウンデーション(Walk Free Foundation、WFF)」により発表された。

オーストラリアに本部を置く同組織が発表した年次報告書「グローバル・スレイバリー・インデックス2014(Global Slavery Index、GSI)」によると、調査方法を見直した結果、全世界で「奴隷」状態にある人の数は、当初考えられていたよりも約20%多く、その数が最も多かったのはインドの推計約1429万人だったという。

 同組織が定義する「現代の奴隷」には、借金による束縛や結婚の強要、子どもの取引や搾取の他、人身売買や強制労働といった従来の奴隷制度に通じるものも含まれている。また、世界167か国を対象に行われたこの調査では、少なくとも58か国で122種類の商品がこれらの人々によって製造されていることも明らかになった。

 国際労働機関(International Labour Organization、ILO)の推計によると、こうした強制労働から生まれる利益は、年間1500億ドル(約17兆5000億円)に上るという。