愛知強盗殺人 少年、殺意認める供述「バッグ欲しかった」
愛知県日進市の歩道で自治会長の川村典道さん(65)を刃物で殺害し、ショルダーバッグを奪ったとして、強盗殺人容疑で逮捕された高校3年の少年(17)が「バッグが欲しくてやった」などと殺意も含めて全面的に容疑を認める供述を始めたことが捜査関係者への取材で分かった。少年は当初、強盗目的や殺意を否認していたが、供述を変遷させていることから、愛知県警が慎重に裏付け捜査を進めている。捜査関係者によると、少年は当初から一貫して強盗目的を否認していたが、調べの中で「ショルダーバッグが欲しかった」と供述を変えたという。バッグの中には物色した形跡があったことから、県警捜査本部は金を奪うつもりで襲ったとみて追及していた。
また、少年は、川村さんを刺したことを認める一方、殺意については否認していたが、襲う直前には殺意を持っていたことも認めているという。少年が家を出る段階で凶器のサバイバルナイフを所持していたことや、事件前からパソコンやスマートフォンで殺人の方法を調べており、川村さんが殺傷力の高い刺し方で刺されていることなどから、川村さんと出くわす前から殺意を持っていた可能性が高いとみて調べていた。
少年は7月12日夜、同市梅森町の歩道で、川村さんの首や顔など10カ所以上を執拗(しつよう)に刺して失血死させ、現金約6000円の入ったショルダーバッグを奪ったとされる。これまでの調べで、川村さんを狙った理由については「嫌いな祖父に似ていたから」と供述し、執拗に刺したことについては「抵抗されたので無我夢中でやった」などと話していた。川村さんには抵抗した際にできた傷はなく、捜査本部はうそを交えた供述をしている可能性もあるとみて調べていた。