小渕氏元秘書ら有罪=「監視の機会、ないがしろ」―収支報告書虚偽記載・東京地裁
小渕優子元経済産業相(41)の関連政治団体をめぐる政治資金規正法違反事件で、同法違反(虚偽記載)罪に問われた元秘書で前群馬県中之条町長の折田謙一郎被告(67)ら2人の判決が9日、東京地裁であった。園原敏彦裁判長は「政治活動に対する監視と批判の機会をないがしろにする悪質な犯行」と述べ、折田被告に禁錮2年、執行猶予3年、小渕氏の資金管理団体「未来産業研究会」の会計責任者だった加辺守喜被告(62)に禁錮1年、執行猶予3年を言い渡した。
2人とも起訴内容を認め、折田被告は「わたし1人で考えた」と小渕氏の関与を否定。検察側は禁錮2〜1年を求刑していた。
園原裁判長は「政治資金の収支をその通り記載しない実態を半ば当然視し、違法な手段によってでも国民の疑惑を回避できれば良いとする姿勢が垣間見える」と指摘。過去の簿外支出で生じた実態との乖離(かいり)を解消する目的だったとの弁護側主張については、「乖離の生じた過程を明らかにしなければ、単なる帳尻合わせだ」と批判した。
その上で、虚偽記載は折田被告が主導し、裏金を捻出する目的もあったと認定。加辺被告は一部に加担したにとどまるが、従属的で責任が軽いとまでは言えないとした。一方で、2人とも一貫して起訴内容を認めていることなどから、執行猶予が相当と判断した。