前橋死体遺棄 不動産巡りトラブル 不明社長と逮捕の男

茨城県取手市の会社社長、小沢道明さん(64)が行方不明になり、小沢さんとみられる遺体が前橋市で見つかった事件で、小沢さんの会社の登記を勝手に書き換えたとして警視庁に逮捕された男3人のうち1人が、不動産売買を巡り小沢さんと金銭トラブルになっていたことが19日、捜査関係者への取材で分かった。同庁捜査1課は、このトラブルを発端に、小沢さんが事件に巻き込まれた可能性があるとみて調べている。

トラブルになっていたのは、小沢さんと仕事で付き合いのあった、千葉県内に住んでいたとされる60代の不動産業の男。男は他の2人とともに今月6日、電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で逮捕されている。

 捜査関係者によると、男は、小沢さんも関わった土地取引に絡んで、要求した現金数十万円が支払われなかったことに腹を立て、2013年11月、小沢さんに暴行を加えたという。このトラブルを巡り、小沢さんは翌12月、茨城県警に被害を届け出たが、その後に行方が分からなくなっていた。

 小沢さんと連絡が取れなくなったことを不審に思った東京都内に住む母親から今年1月に相談を受けた警視庁が捜査を開始。小沢さんの会社の登記が不正に書き換えられていたり、預金などがなくなったりしていることが判明し、交友関係などから浮上した3人を逮捕した。

 3人のうち2人が「小沢さんの遺体を前橋市内に埋めた」と供述したことから、警視庁は18日に市内の私有地を捜索したところ、白骨化した遺体が見つかった。この土地の所有者は50代の自動車販売業の男で、警視庁に逮捕された3人のうちの1人。同課は、男らが死亡の経緯についても知っているとみて追及している。