郵政3社上場 いずれも初値は売り出し価格上回る
日本郵政と、その傘下のゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の3社は4日、東京証券取引所第1部に株式を上場した。注目された初値はいずれも、事前に申し込んだ投資家への売り出し価格を上回った。1987年のNTT(初値で約25兆円)以来の大型上場となる。曲折をたどってきた郵政民営化は大きな節目を迎えた。「親子」の3社が同時上場するのは国内で初めて。3社の株はいずれも買い注文が集まり、初値は日本郵政が1631円(売り出し価格1400円)、ゆうちょ銀が1680円(同1450円)、かんぽ生命が2929円(同2200円)と、それぞれ売り出し価格を16.5%、15.9%、33.1%上回った。投資家の高い期待感を裏付けた。
東京証券取引所(東京都中央区)では、日本郵政の西室泰三社長ら上場3社のトップらが出席してセレモニーが行われた。東証の親会社にあたる日本取引所グループ(JPX)の清田瞭(あきら)最高経営責任者(CEO)が西室社長ら上場3社の社長に上場通知書を手渡した後、3社の社長が「上場の鐘」を5回ずつ打った。
あいさつに立った西室社長は「日本郵政グループは本日をもって新しい時代を迎えた。株主の期待に応えられるようグループ全体の企業価値を上げていくことを約束したい」と述べた。
政府保有株などの売り出しで、政府が持つ日本郵政株や、日本郵政が持つ金融2社株の割合はいずれも100%から89%へ低下。政府は日本郵政株を今後も段階的に売却し、東日本大震災の復興財源として約4兆円を生み出す計画だ。