日米、TPP参加国拡大へ連携
林幹雄経済産業相は17日、米通商代表部(USTR)のフロマン代表と会談し、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の参加国の拡大に向け連携することを確認した。16日に林氏と会談したタイとフィリピンの両閣僚がTPP参加に前向きな姿勢を示し、参加意欲の高い国が増えつつある。日米は18日に開幕するアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議でも各国に参加を呼びかける方針だ。日本や米国が参加するAPECの閣僚会議の合間に林氏とフロマン氏は会談。会談後、林氏は記者団に「フロマン氏とはTPPに関して今後も連携していくことを確認した」と述べた。会談では連携内容の詳細について言及はなかったが、林氏は「フィリピンやタイから大変強い参加意欲を感じた。参加への呼びかけなども含め、連携しながら進めていく」との認識を示した。
今回のAPECでは、10月に大筋合意したTPPの成果を各国に訴え、APECが目指すアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)のルールづくりを主導したい日米の思惑がある。両国はAPEC期間中にTPPに参加していない東南アジア各国に参加を呼びかけ、連携強化を図るつもりだ。そこにはアジアインフラ投資銀行(AIIB)などで勢力拡大を目指す中国を牽制(けんせい)する狙いもある。