くい打ち不正「360件でデータ不正」公表

旭化成建材と旭化成 国土交通省に報告

 旭化成建材によるくい打ち施工データ改ざん問題で、旭化成建材と親会社の旭化成は24日、過去に実施したくい工事3052件のうち、360件でデータの不正が見つかったことを国土交通省に報告し、公表した。3052件中、188件は建物が既に取り壊されたり、元請け建設会社が廃業したりするなどして連絡が取れず、不正の有無を確定できなかった。

 データ不正があったのは▽マンションなど集合住宅102件▽オフィスビルなど事務所20件▽スーパーなど商業施設12件▽工場・倉庫91件▽医療・福祉施設37件▽学校37件▽公共施設21件−−など。都道府県別では東京都が最も多く73件に上り、北海道53件▽神奈川県36件▽埼玉県31件▽愛知県23件−−だった。

 旭化成建材がくい打ち工事を担当した横浜市都筑区のマンションで一部のくいが強固な地盤(支持層)に届かず、電流計のデータが改ざんされていたことが判明したのを受け、過去10年に実施したくい工事3040件の調査をしていた。更に新たに工事をしたことが判明した12件についても調査した。

 国交省は11月13日までに結果を報告するよう指示していたが、期限内には間に合わず、報告は24日にずれ込んだ。旭化成建材は13日時点で266件でデータ不正があったと公表していた。