VW、CO2排出量不正で脱税容疑 独検察が捜査

ドイツの検察当局は24日、独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の二酸化炭素(CO2)排出量をめぐる不正について脱税容疑で捜査を開始したことを明らかにした。独メディアが伝えた。詐欺容疑で捜査を受ける不正規制逃れに続き、VWに新たな捜査のメスが入ることになった。

 検察が捜査対象とするのはVW関係者5人。ドイツではCO2の排出量により自動車税が異なるため、排出量を少なく見せかけたことで納税額が本来よりも低く抑えられた可能性があるとして、脱税容疑での捜査を判断した。脱税額は数百万ユーロ規模に上る可能性があるとも報じられている。

 本来、脱税の責任は納税者である車の所有者となるが、検察はこれまでの調査の結果、VW側に責任があると判断したもようだ。ドイツ政府も税収の不足分をVWに負担させることを検討している。

 VWは11月初め、規制逃れを受けた内部調査で、グループ内の約80万台が車両の認証過程で実際よりもCO2排出量を少なくし、燃費がよくなるよう設定されていたと発表。該当車両にはディーゼル車だけでなく、ガソリン車約9万8千台も含まれ、必要対策費は約20億ユーロ(約2650億円)と試算されている。