新潟のコメ産出額92億円減 TPPで試算

新潟県は1日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の発効に伴う県産米への影響を公表した。輸入用米と競合する業務用米などとの価格差分だけ影響を受けると仮定すると、コメの産出額は平成25年産の1499億円から92億円減少し、協定発効後は1407億円になるという。

 プラス効果も試算し、流通量が現在33万2千トンのコシヒカリの2割を海外向けに価格を1キロ当たり258円引き上げ高価格帯の538円で輸出すると、172億円の収入増になるとした。ただ「国の対策や為替変動によって試算値は変わる」(泉田裕彦知事)ため、現時点で影響額を見極めるのは困難としている。

 一方、11月30日に農林水産省が公表した28年産米の生産数量目標で、本県は15年産比で5553トン減の51万5737トンとされたことに関し、泉田知事は「主食用米の需要減少が変わらないなら、マーケットに合った供給が必要」とした上で、「主食用米を米菓や飼料用米などの非主食用米にシフトしながら水田をフル活用する策が重要になる」と述べた。

 県によると、51万トンは現行方式で生産目標の配分が始まった16年産以降の最低で、減少は4年連続になるという。