「ヤンキー先生」北星余市高が閉校検討 入学者減り19年度末で
全国から中途退学者受け入れ 同様の高校増え苦境に北海道余市町の北星学園余市高(安河内敏校長、161人)を運営する学校法人北星学園(札幌)が、同校の生徒募集を2018年度に停止し、19年度末で閉校する方向で検討していることが分かった。同校は中途退学者の転入、編入を積極的に受け入れる高校の先駆けとして知られ、全国から生徒を集めたが、近年はフリースクールや同様の制度を設ける高校の増加で入学者数が減少。学校運営を続けることが難しくなったとみられる。
関係者によると、同法人は北星余市高の16年度の入学者数が、定員140人のうち学校運営に必要とされる90人に達しなかった場合に、17年度は引き続き生徒を募集するものの、18年度からは募集を停止し、19年度末で閉校する方向で調整している。
すでに同法人が運営する札幌市内の北星学園大や北星学園女子中高の教職員などに説明を始めており、近く余市町や町内の生徒の下宿関係者にも説明するという。
同高は余市町の誘致で1965年4月に開校。生徒数の減少で87年度にいったんは閉校を決めたが、88年度から全国で初めて中途退学者の転・編入を受け入れる制度を導入し、存続を図ってきた。
道内外の不登校の生徒や高校中退者の受け皿として全国的に知られるようになり、同校の卒業生で母校の教壇に立ち「ヤンキー先生」と呼ばれた義家弘介衆院議員をモデルにしたテレビドラマや映画も制作されて話題を集めた。一方で、少子化による中学卒業者の減少や、転・編入を受け入れる高校が全国で増えたことなどから、ここ数年は定員割れが続き、経営難が深刻化。本年度の1年生の入学者数は定員140人に対し、41人だった。
同校の安河内校長は北海道新聞の取材に対し「コメントできない」としている。