スマホ料金「月5千円以下」拡大を 有識者会議が提言
安倍晋三首相から携帯電話料金の引き下げ策を検討するよう指示され、具体案を練ってきた総務省の有識者会議は16日午前、報告書をまとめた。対象の年齢や機種が限定されているスマートフォンの「月5千円以下」の低料金コースの拡大検討や、「実質0円」といった端末の大幅値引きの見直しを提言した。ただ、料金水準全体の引き下げ目標は示さなかった。高市早苗総務相は18日にも、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの大手3社に対応を要請する。総務省も、携帯会社が守るべき指針をつくり、提言を反映させる。指針そのものに強制力はないが、3社は来春までに料金を見直す方針だ。
3社の基本料金では、スマホはネット接続料も含めて最低でも月6200〜6500円かかる。「電話かけ放題」と、動画などデータ通信代の最も安いコースを組み合わせられないためだ。報告書では、この組み合わせや、通信できるデータ量が少ない代わりにより安いコースを検討するよう求めた。
一方で、報告書は、月2ギガバイトまでのデータ通信で「月3500円」なのを「月2500円」にするような料金水準の引き下げの目安は示さなかった。3社の料金の見直しが一部にとどまれば、安倍首相が掲げた「家計負担の軽減」にはつながらない可能性がある。(内藤尚志)
■有識者会議の報告書のおもな内容
・対象年齢や機種を限定している月5千円以下のコースを参考に、スマートフォンの利用が少ない人向けの料金を検討すべきだ
・スマホを「実質0円」にするような端末値引きは著しく不公平で、格安スマホの参入を阻害するおそれがあり、値引きを適正化すべきだ
・端末値引きを受けない長期利用者の負担の軽減になるような料金の提供を検討すべきだ
・端末値引きの見直しについて、総務省が携帯会社の取り組みを検証できるようにすべきだ
・利用者の選択肢を拡大するため、中古の端末市場の発展が望まれる