ソフトバンク、英移転を一時検討 節税・投資にメリット

ソフトバンクグループ(SBG)が、今年に入って一時、英国への本社移転を検討していたことがわかった。法人実効税率の低さや国際的な投資環境の良さが理由だ。ただ、移転したとしても投資先から収益を得るのがかなり先になりそうで、ひとまず時期尚早として断念した。

 英国が候補に浮上したのは、節税メリットが大きいためだ。国と地方を合わせた法人実効税率は、日本の32・11%(2016年度から29・97%)に対し、英国は20%と低い。

 さらにSBGは近年、インドの新興ネット企業に相次いで投資したほか、インドでの大規模な太陽光発電事業への参入も決定。旧宗主国の英国の方が、インドへの投資がしやすいことも利点と考えた。

 SBGは7月、グループ全体を統括する持ち株会社として誕生した。旧ソフトバンクが前身で、日本国内の通信事業を担う旧ソフトバンクモバイルがソフトバンクになった。この組織再編の過程で「さまざまな選択肢を検討した」(広報担当者)中で、本社移転も浮上していた。