元名大生公判 元同級生「視力落ち裁判員の顔も見えない」
硫酸タリウム被害 「一生刑務所に入って罪を償って」名古屋市で高齢女性を殺害し、仙台市で高校の同級生ら2人に硫酸タリウムを飲ませたなどとされる元名古屋大学生の女(21)=事件当時16〜19歳=の裁判員裁判で、タリウム事件の被害者の男性(20)が9日、名古屋地裁(山田耕司裁判長)の公判で証人として出廷し「(元学生には)一生刑務所に入って罪を償ってほしい」と話した。
検察側の主張によると、元学生は高校2年時の2012年5月28日と7月19日の2回、教室で同級生だった男性のペットボトルの水に耳かきで硫酸タリウムをそれぞれ約0.8グラム、約0.4グラム混入したとされる。
男性は傍聴席からついたてで遮られた証言台で答えた。検察側の質問に対し、タリウム中毒による大幅な視力低下で、冒頭の宣誓文朗読時には拡大読書器に目を近づけなければ字が読めず、裁判官や裁判員の顔もはっきり見えないと明かした。
男性によると、事件当時、元学生とは隣の席同士で会話することはほとんどなかったが、印象的な出来事として「教室で別の男子生徒に謎の粉をなめさせていた」と証言した。また「オウム真理教のような宗教的な話をしているのを聞いたことがある」と述べた。
体調の異変に気付いたのは1回目の混入後の12年6月6日ごろで、腹部の痛みが次第に重くなり、その約1週間後には大量に髪が抜け始めたという。腹部や脚の痛み、視力の低下などの症状が出て、2回目の混入があった同年7月以降はさらに症状が悪化した。
同年12月に休学届を出し、14年3月特別支援学校への転校を余儀なくされた。その後、痛みなどの症状は治まったが、視力は現在も回復していないとした。
男性は理系の仕事や研究に携わることを目標としていたが諦めざるを得なかったと話し「目標や夢を台無しにされ、自由も奪われて苦しい気持ちでいっぱい」と悔しさを語った。
弁護側は「ありのままの気持ちを受け止めさせてもらいたい」と述べて質問しなかった。






