建設業界「一人親方」にも安全対策 16日に新法施行

人手不足や高齢化の波に洗われる建設業界で、働く人たちの労働環境を良くしようという新法が、16日に施行される。建設工事の請負額の中で安全対策にかけるコストの明示などを官民問わず工事関係者に促すよう国に求めている。厚生労働、国土交通両省は今後、同法に基づく基本計画を作成する。

 厚労省などによると2015年に建設業の労働者で作業中に事故などで死亡したのは327人と、全産業の3割強を占める。原因別では、ビルや住宅などの建設作業中に転落した「墜落・転落」が128人と最も多い。

 建設現場の安全基準は主に労働安全衛生法が定めている。だが、あくまで「最低基準」(厚労省)であり、個人事業主として建設会社などと請負契約を結んで働く「一人親方」を対象としていないなど課題も多い。

 新法の名称は「建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律」で、昨年12月に議員立法で成立。請負金額中の安全にかかわる経費の明示や、一人親方を含む建設工事従事者の安全を確保する措置を関係者に促すよう、国に求めている。国は基本計画作成の義務を負い、少なくとも5年ごとに計画を見直すとする。

 同法は、建設現場の足場資材のメーカーなどが参加する「全国仮設安全事業協同組合」(東京都)などが求めていた。同組合の小野辰雄理事長は「墜落災害をはじめ建設現場の安全確保は課題だった。国などによる具体的な取り組みが進むことを期待したい」と話す。