「無事で…」願い届かず 9人全員の身元特定

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神奈川県座間市で9人の遺体が見つかった事件で、9人全員の身元が特定された。「無事であってほしい」という家族や友人らの願いは届かなかった。

 9人にはそれぞれの人生があり、そして家族・友人がいた。座間市で9人の遺体が見つかった事件。10日未明、警視庁が8人の身元を発表。これで被害者9人全員の身元が分かった。群馬県の石原紅葉さん(15)はまだ高校1年生。生きていたら9日に16歳の誕生日を迎えていた。

 石原さんが通っていた高校の会見:「落ち着きのある礼儀正しい生徒だったと。悩みは全くなかったと聞いている」

演劇部に所属していた石原さん。友達に囲まれ、孤立していたような感じではなかったという。また、親からの愛情も深かったようで…。

 石原さんを知る人:「紅葉ちゃんの名前が車の番号『908』、3台とも。親がどれだけ可愛がっていたか、思いが分かるんじゃないかな」

 そんな石原さんが白石隆浩容疑者(27)と知り合ったのは、ツイッターなどのSNSとみられる。警視庁は、白石容疑者が石原さんを神奈川県江の島周辺まで呼び出し、携帯を捨てさせた可能性もあるとみている。

 埼玉県春日部市の藤間仁美さん(26)。白石容疑者が「首吊り士」の名でツイッターに書き込んだ9月、行方が分からなくなった。職場の人によると、彼女は離婚していて、まだ幼い子どもがいたという。

 近所の人:「普通だったら子どもさんと遊んでいる姿とか見掛けるんだけど、そういうのを一切、見掛けなかったんじゃないかな」

 被害者たちは何か問題を抱えていたのだろうか。そして、白石容疑者はそんな9人の心の隙間に入り込んだのだろうか。唯一の男性・西中匠吾さん(20)。介護の仕事をしながらバンド活動を行っていたという。

 西中さんを知るライブハウスのオーナー:「とにかく一生懸命だったよね。バンドで売れたいというか、漠然とした夢というか」

 9人全員の殺害をほのめかしている白石容疑者。しかし、白石容疑者が殺害したという客観的な証拠がほとんどない状態で事件の全容解明にはかなりの時間がかかる見通しだ。
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